2012年02月06日
トキソプラズマ症
この病気はヒトの妊娠中に赤ちゃんの流産や奇形を引き起こすことがあるので、
妊婦=ネコはダメ
のような話が出ることもありますが、決してそうではありません。
妊娠しても正しい知識を得ることで、ネコと楽しく暮らすことができます。
病因
トキソプラズマ原虫によって感染します。
原虫とはミドリムシやゾウリムシみたいな小さい生き物の一種のことです。
トキソプラズマは哺乳類や鳥類に感染して生きることは出来ますが、その動物の外へ自由には出られません。
ライオン・トラ・ネコ等、ネコ科の動物に感染した時だけ、動物の糞と一緒に外へ出ることができます。
動物に感染すると、原虫達は「いつかライオン達に食べてもらって、子孫を外へ出したい!」と思いながら?筋肉や心臓へ移動してじっとしています。
野生の世界だと、主に食べられた動物から食べた動物へ感染していきます。「稀に」ネコ科の糞から感染します。
私たちヒトは感染しているお肉から原虫が感染する場合が多いです。ごくごく稀にしかネコの糞からは感染しません。
症状~ネコの場合
ネコがトキソプラズマに感染してもほとんどが無症状です。
免疫力の弱い仔猫やエイズ・白血病ウイルス感染症を持ったネコでは下痢をおこす場合があります。
ネコが「生まれて初めて」トキソプラズマに感染した場合、トキソプラズマは子孫を増殖させて、猫の糞と一緒に外へ出てくると先程書きましたが、わずか1~2週間しかネコの外へ出られません。
感染したネコは感染1~2週間で抗体という武器を作り、トキソプラズマを攻撃します。抗体を作ったネコの体の中ではもう増えることはなく、体の中でじっとしています。
ネコの体内でトキソプラズマの抗体が作られたら、その後の残りの人生?(猫生?)はトキソプラズマに感染しません。
症状がほとんど無いこと、糞便検査で原虫が見つかる期間が非常に短いことから、動物病院でトキソプラズマ感染症を診断することは非常に少ないです。
症状~ヒト・他の動物の場合
ネコ科以外の動物に感染してもほぼ無症状です。まれに微熱やリンパ節の腫れがあるといわれています。
感染するとネコと同様に抗体を作ります。抗体が出来ると、その後は感染しません。
☆妊娠中に「生まれて初めて」感染した時
お母さんは無症状の事が多いですが、胎盤から胎児へ原虫が移動し脳炎等重い症状を起こすことが知られています。
「感染したことがある」女性は妊娠しても問題ありません。
これから妊娠する可能性がある女性へのアドバイス
トキソプラズマ感染症のポイントは
1.抗体があればもう大丈夫
2.トキソプラズマは「筋肉」と「稀にネコの糞」から伝染る
ことです。
抗体は血液検査で調べることができます。妊娠する可能性がある方は病院へ行って検査してもらってください。陽性であればもう大丈夫です。
もし「陰性」であればその時に飼っているネコの検査してください。ネコが「陽性」ならネコが「トキソプラズマ入りの糞」はしません。「陰性」なら女性はトイレ掃除は避けたほうが良いでしょう。外に出た原虫は24時間以上経たないと次の動物へ感染できません。毎日トイレ掃除をすれば糞からの感染はまずありません。
ヒトにトキソプラズマが感染する経路で圧倒的に多いのは普段食べるお肉からです。
よく「豚肉はよく火を通しなさい」といわれるのは、豚肉にトキソプラズマが多くいてヒトへの感染が多かったことが由来です。豚肉以外でも、生肉を食べる地域では胎児へのトキソプラズマ感染が多いという報告があります。
トキソプラズマは熱に弱いのでお肉を良く焼いて食べれば大丈夫です。
まとめとして、女性の方は
◯抗体検査を受けてください。
◯お肉はよく火を通して食べてください。
◯妊娠したら念のため(衛生的にも)ネコのトイレ掃除は他の方にお願いしてもらってください。
これで妊娠中もネコと楽しく暮らせます。
ネコを手放す必要は全くありませんよ。
[妊娠中から一緒です」
妊婦=ネコはダメ
のような話が出ることもありますが、決してそうではありません。
妊娠しても正しい知識を得ることで、ネコと楽しく暮らすことができます。
病因
トキソプラズマ原虫によって感染します。
原虫とはミドリムシやゾウリムシみたいな小さい生き物の一種のことです。
トキソプラズマは哺乳類や鳥類に感染して生きることは出来ますが、その動物の外へ自由には出られません。
ライオン・トラ・ネコ等、ネコ科の動物に感染した時だけ、動物の糞と一緒に外へ出ることができます。
動物に感染すると、原虫達は「いつかライオン達に食べてもらって、子孫を外へ出したい!」と思いながら?筋肉や心臓へ移動してじっとしています。
野生の世界だと、主に食べられた動物から食べた動物へ感染していきます。「稀に」ネコ科の糞から感染します。
私たちヒトは感染しているお肉から原虫が感染する場合が多いです。ごくごく稀にしかネコの糞からは感染しません。
症状~ネコの場合
ネコがトキソプラズマに感染してもほとんどが無症状です。
免疫力の弱い仔猫やエイズ・白血病ウイルス感染症を持ったネコでは下痢をおこす場合があります。
ネコが「生まれて初めて」トキソプラズマに感染した場合、トキソプラズマは子孫を増殖させて、猫の糞と一緒に外へ出てくると先程書きましたが、わずか1~2週間しかネコの外へ出られません。
感染したネコは感染1~2週間で抗体という武器を作り、トキソプラズマを攻撃します。抗体を作ったネコの体の中ではもう増えることはなく、体の中でじっとしています。
ネコの体内でトキソプラズマの抗体が作られたら、その後の残りの人生?(猫生?)はトキソプラズマに感染しません。
症状がほとんど無いこと、糞便検査で原虫が見つかる期間が非常に短いことから、動物病院でトキソプラズマ感染症を診断することは非常に少ないです。
症状~ヒト・他の動物の場合
ネコ科以外の動物に感染してもほぼ無症状です。まれに微熱やリンパ節の腫れがあるといわれています。
感染するとネコと同様に抗体を作ります。抗体が出来ると、その後は感染しません。
☆妊娠中に「生まれて初めて」感染した時
お母さんは無症状の事が多いですが、胎盤から胎児へ原虫が移動し脳炎等重い症状を起こすことが知られています。
「感染したことがある」女性は妊娠しても問題ありません。
これから妊娠する可能性がある女性へのアドバイス
トキソプラズマ感染症のポイントは
1.抗体があればもう大丈夫
2.トキソプラズマは「筋肉」と「稀にネコの糞」から伝染る
ことです。
抗体は血液検査で調べることができます。妊娠する可能性がある方は病院へ行って検査してもらってください。陽性であればもう大丈夫です。
もし「陰性」であればその時に飼っているネコの検査してください。ネコが「陽性」ならネコが「トキソプラズマ入りの糞」はしません。「陰性」なら女性はトイレ掃除は避けたほうが良いでしょう。外に出た原虫は24時間以上経たないと次の動物へ感染できません。毎日トイレ掃除をすれば糞からの感染はまずありません。
ヒトにトキソプラズマが感染する経路で圧倒的に多いのは普段食べるお肉からです。
よく「豚肉はよく火を通しなさい」といわれるのは、豚肉にトキソプラズマが多くいてヒトへの感染が多かったことが由来です。豚肉以外でも、生肉を食べる地域では胎児へのトキソプラズマ感染が多いという報告があります。
トキソプラズマは熱に弱いのでお肉を良く焼いて食べれば大丈夫です。
まとめとして、女性の方は
◯抗体検査を受けてください。
◯お肉はよく火を通して食べてください。
◯妊娠したら念のため(衛生的にも)ネコのトイレ掃除は他の方にお願いしてもらってください。
これで妊娠中もネコと楽しく暮らせます。
ネコを手放す必要は全くありませんよ。
[妊娠中から一緒です」
Posted by こにし動物病院・夫婦 at 09:00│Comments(0)
│ネコの病気
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