プロフィール
こにし動物病院・夫婦
こにし動物病院・夫婦
どんな手術もこなす獣医師(夫)と 
動物の統合医療だけでなく飼い主さん家族の癒しも提案する獣医師(妻)夫婦
*診察時間 午前9 ~ 午後7時
*休診日:水曜・木曜日
*休診日の診察とホテルのお迎えはご予約の時間にお願いします。 
TEL 859-5240
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 28人
てぃーだブログ › 動物と暮らす・こにし動物病院 › ネコの病気 › ネコの慢性腎不全2

2011年10月03日

ネコの慢性腎不全2

前回は原因と症状についてお話ししました。
主な症状:脱水食欲不振吐き気高血圧貧血

カプセル治療カプセル
慢性腎不全は残念ながら完治できません。
治療の目標は
・今おきている症状を和らげる
・病気の進行を少しでも遅らせる
 ことです。

◯補液(水分の補給)
ネコの慢性腎不全では体の水分がどんどん失われるので、脱水症状のコントロールが非常に重要です。
水分の補給で一番手軽なのは餌をドライフードから缶詰などのウエットフードに替えることです。
初期の腎不全ではこれだけでも効果が出ます。
症状が進行し、口からの水分補給だけで追いつかなくなると点滴が必要になります。
その子の症状にあった間隔で通院してもらいながら皮下点滴をします。時には飼い主さんに自宅で皮下点滴を行なってもらうケースもあります。
緊急汗を要する脱水症状は血管からの点滴を行ないます。この場合は入院が必要です。
脱水症状が改善してくると尿毒症の症状も和らぎ、食欲が戻ってきます。

◯吐き気のコントロール
腎不全による尿毒症では胃酸が過剰に出てしまい、その結果吐き気や胃潰瘍がおこります。
胃酸を抑える薬で症状を和らげることができます。

◯高血圧のコントロール
血圧が高い状態が続くと腎臓の血管が破壊されて、更に腎不全が悪化します。また目の奥にある網膜の血管が破れると目が見えにくくなります。
高血圧のコントロールには血管拡張薬等を使用します。

◯貧血のコントロール
貧血の予防に鉄剤やサプリメントを使用します。
重度の貧血の場合は増血剤を使用します。

◯その他
腎不全用の食事療法や尿毒症を引き起こす毒性の物質を吸着する吸着剤等があります。

これらの治療法をその子の症状や飼育環境、
飼い主さんの希望等を考慮して組み合わせていきます。
ネコちゃんも飼い主さんも無理をしない「良い加減」で長く治療してあげるのがポイントだと思います。

「お母さん、おしっこのチェックお願いしまーす」
ネコの慢性腎不全2



同じカテゴリー(ネコの病気)の記事
職場健診受けたよ!
職場健診受けたよ!(2020-11-16 14:09)

トキソプラズマ症
トキソプラズマ症(2012-02-06 09:00)

ネコの慢性腎不全1
ネコの慢性腎不全1(2011-09-22 21:43)


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 18:52│Comments(0)ネコの病気
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。