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2011年06月29日

免疫の話4

前回はリンパ球がマクロファージと協力して病原体を攻撃する事、その時に「抗体」という強力な武器を使うことをお話ししました。

この抗体を作るBリンパ球ですが、ひとつのBリンパ球は1種類の抗体しか作れません。
動物は1億種類以上の抗体を作れますが、これは体が1億種類以上のBリンパ球を作れるということです。

例えば、体に「◯」という菌が入ってきたとすると、マクロファージが
「◯という病原体が入ってきましたー」と伝えます。
すると、◯を攻撃できるBリンパ球が
「その病原体の抗体作りは僕にまかせて!」と言わんばかりに分裂していきます。
◯に対する抗体を作れるBリンパ球が増殖して大量に抗体を作り、攻撃を始めます。

病原体が入ってきてから大量の抗体が出来るまでの時間が短ければ短いほど症状も軽く、早く治ります。

次に「△」という病原体が入ってきたとします。同じように
「△が入ってきたよー」と伝えます。
この時、体の中に△の抗体を作るBリンパ球がいない場合、体は
「えっ!じゃあ今から△の抗体を作るBリンパ球を作るから何日か待ってて!!」となってしまい、
抗体を作るのに大幅なタイムロスができてしまいます。

体が「抗体」という武器で反撃できない間、病原体は体内で猛威をふるいます。
症状は重く、治るのも時間がかかってしまいます。

△をやっつけるBリンパ球と抗体を作り、無事に回復した体は
「あー危なかった。△が次来たときはすぐ対処出来るように、情報を記憶しておこう」
と△の抗体を作るBリンパ球を少しだけ残しておきます。

このようにして体は病気を「記憶」します。

初めての病気が多い子供の頃や、記憶したBリンパ球が減ってしまう高齢の方が病気に掛かりやすい・重症化するのはこの為です。
では、病気の情報を忘れないようにするにはどうすればいいでしょうか?
忘れないうちに再びその病気にかかれば、体は「また覚えとこう!」と記憶し続けます。
でも定期的に病気になるのは嫌ですよねー。

そこで考え出されたのが「ワクチン」です。
ワクチンは病気にならない程度に弱くした病原体を体に入れて、Bリンパ球に「記憶」させます。
数億種類の情報の記憶には数億種類のワクチンが必要になりますが、それは無理なので、発症したら重い症状を引き起こす病気のワクチンが作られています。

体って本当にすごいですねーーーー

「ワクチンやってる?」「もっちろーん」
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 18:21Comments(0)病気の説明

2011年06月28日

免疫の話3

前回は体に入ってきた病原体をマクロファージが迎え撃つところをお話ししました。

マクロファージは病原体をたくさん食べてやっつけてくれるのですが、病原体が多いとマクロファージだけでは追いつきません。

そこで、マクロファージはリンパ球に
「こんな物が侵入しています。助けてください」と応援をお願いします。

リンパ球には「抗体」という物を作るBリンパ球と、Bリンパ球の働きを調節したり、直接病原体に攻撃を行うTリンパ球の二つがあります。

抗体はとてもすごい物質で、
病原体を攻撃する「ミサイル」のような働きと、
病原体を食べるTリンパ球や好中球、マクロファージに「やっつけて欲しい病原体はこれですよー」とをつける役目もあります。
また、病原体がだす毒も無毒にしてくれます。
このように、免疫系の中で、最も重要なものが抗体です。

病原体は抗体のミサイルでダメージを受け、好中球やリンパ球に食べられて全滅します。
病原体を食べてくれた細胞の集まりが膿です。

このように、体は免疫系のおかげで病気になったとしても回復することが出来るのです。

免疫系のすごいところは、入ってきた病原体に合わせた抗体をつくるところです。つまり、
A型インフルエンザにはA型インフルエンザ用の抗体
O157にはO157用の抗体
スギ花粉にはスギ花粉用の抗体 
など、目的に合わせて数億種類の抗体を作ることができます。
マクロファージが敵を分析して、Bリンパ球がオーダーメイドのミサイルを作るイメージでしょうか。

免疫の話は奥が深いので、もう少しお付き合い下さい。
こんなにすごい免疫系を持っていても病気になってしまう理由を次回お話しします。

「ここ、冷たくて気持ちいいわー」
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 20:51Comments(0)病気の説明

2011年06月27日

免疫の話2

免疫の話の続きです。

前回お話ししたように、病原体は皮膚や粘膜のバリア機能によって簡単には体の中へ侵入できませんが、完璧ではありません。

侵入してきた病原体は速やかに対処しないと感染症を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
病原体の侵入という非常事態に対応するのが体の免疫系です。

免疫とは病原体の侵入から自分を守ることであり、免疫を働かせる為の一連の仕組みのことを免疫系といいます。
免疫系は次の2つを行います。

1.侵入者が「自分の体のもの」なのか、「自分ではない物」かを区別する
2.自分でないものを攻撃して排除する

免疫系の主役は白血球で、その中でも好中球・リンパ球・マクロファージといった細胞が活躍します。

侵入者への攻撃1:マクロファージ
体に侵入してきた病原体を最初に迎え撃つのがマクロファージです。
マクロは「大きい」、ファージは「食べるもの」という意味で、マクロファージはその名の通りなんでも食べる大きな細胞です。
マクロファージは眼以外の体中にいて、自分の体の細胞以外の物を食べてしまいます。
そして「こんな物が体に入ってきたよ~」と、次に活躍するリンパ球に教えます。

次回はリンパ球についてお話しします。

「なーんでも食べる僕はマクロファージ?」
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 12:24Comments(2)病気の説明

2011年06月25日

免疫の話

今回は、どのようにして体が病気を防いでいるかについてお話しします。

動物は、様々な病気から身を守るために、とても巧妙な仕組みをもっています。
外から来る病原体は、
1 皮膚
2 鼻や喉といった粘膜
3 口から腸までの消化管
などから体内への侵入を企てますが、体は城壁を作って侵入を防ぎます。

◯城壁その1:皮膚
皮膚の細胞は他の臓器と比べて細胞同士が隙間なく並んでいます。
そうすることで病原体は体内に侵入しづらくなります。
また、汗や皮脂には雑菌を防ぐ物質が含まれています。普段は病原性のない皮膚の常在菌も病原菌の繁殖を抑えるのに協力しています。
そして、動物は体を舐めて、私たちはお風呂に入ることで病原体を直接取り除いています。

ケガをして皮膚に傷ができたり、アトピーなどの皮膚病で皮膚の状態が正常でない時、皮膚のバリア機能が失われて病原体の侵入してしまいます。
清潔にしようとするあまり、過剰なお風呂やシャンプーで皮脂や常在菌を落としすぎる、固いタオルで皮膚を強くこする事もバリア機能を弱める原因になります。

◯城壁その2:粘膜
眼・鼻・口や喉、そして陰部は固い皮膚でなく、柔らかい粘膜で覆われています。
粘膜には皮膚の細胞のような固いバリア機能がありません。
そこで粘膜は涙や鼻水といった、粘液を多く作って身を守ります。
粘液には病原菌の繁殖を抑えたり、殺菌する成分が含まれています。かぜ薬のCMでおなじみの塩化リゾチームも粘液に含まれる殺菌成分の一つです。
粘膜にも常在菌が多く棲んでいます。
常在菌が住みやすい環境を粘膜が提供する代わりに、病原菌が繁殖しないよう協力してもらっています。
粘膜についた病原体はくしゃみ・咳で外へ追い出します。

粘膜の細胞や常在菌にダメージを与える刺激物やタバコ、空気の乾燥は粘膜の防御機能を弱めます。

◯城壁その3:消化管
多くの病原体は、食べ物と一緒に消化管へ入って、体内への侵入を試みます。
口腔粘膜は粘液(唾液)を出して菌を抑えます。
咬む行為も寄生虫の侵入などに対して有効です。
胃は強力な殺菌作用をもつ胃酸を分泌しています。
また、タンパク分解酵素を分泌して菌のタンパク質を消化しています。
そして腸では、腸内細菌が侵入してきた菌の繁殖を抑えています。

予め菌が大量に繁殖した食べ物(傷んでいる物)を食べたり、消化不良を起こすほど大食いをすると消化管のバリアを超えて病原体は侵入してしまいます。

これらの城壁は通常ほとんどの病原体の侵入を防ぎますが、残念ながら完璧ではありません。
病原体もあの手この手で侵入を試みます。

侵入した病原体を体がどうやってやっつけるかは
次回お話しします。

「僕は中に入れてーーー」



  
タグ :勉強会免疫


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 21:31Comments(0)病気の説明

2011年06月24日

夏バテ防止

妻が赤ジソで紫蘇ジュースを作ってくれました。
きれいなルビー色です。

甘酸っぱくて、とても美味しいですよ。
爽やかな紫蘇の香りもおいしさを引き立てます。
シソに含まれるアントシアニンには抗酸化作用があり、老化防止にも良いです。
飲みやすいのでスタッフにも好評です。

人参とリンゴのジュースもよく作ります。

ビタミンやベータカロテンなど体に良いものが美味しく摂取できるのでオススメです。

アントシアニンやベータカロテンは、植物に含まれる色素の仲間です。
植物は光合成を行って酸素を作ってくれます。
酸素は動物が生きて行くのに必要不可欠な物質ですが物を燃やしたり、金属を錆びさせたりと
他のものと激しく反応する危険な物質でもあります。
植物の細胞の中では普通の酸素と、活性酸素(消毒薬のオキシドールや漂白剤の成分です)がどんどん作られます。
活性酸素は遺伝子を傷つける危険物質です。
植物は枯れてしまわないように活性酸素を無害化する色素をたくさん作ります。
このようなわけで、植物(特に日光があたる葉や果物の皮)には多くの抗酸化性色素が含まれています。

近年、私たちの病気や老化の原因の一つに、体内でできた活性酸素が悪さをしていることが分かってきました。
抗酸化色素を利用して活性酸素を速やかに無害化すれば、体のダメージを減らすことになります。
健康補助食品やサプリメントにポリフェノールやリコピン、カテキンなど多くの抗酸化色素が使われているのはこういう理由からです。

旬の野菜や果物には、この他にも体に良いものがたくさん含まれています。
自然のリズムで育てられた季節の野菜はその時々に私たちに必要な栄養を蓄えています。
新鮮な夏野菜を美味しく頂いて、暑い夏を乗り切りましょう!  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 11:07Comments(0)病院の日常

2011年06月23日

今日は休診日

毎週木曜日は休診日です。

通常は
電話対応やフード・シャンプーの販売を行うスタッフが待機していますが、
本日だけは不在で応対できません。

皆様にはご迷惑をおかけします。

来週の木曜日からは
動物看護師への飼い方相談や
ペットホテル等も可能です。

気軽にお電話ください。

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 10:45Comments(0)病院の日常

2011年06月21日

与え過ぎに注意 その2

今回も、イヌ・ネコに与えすぎると良くない食材についてお話しします。

◯生の魚
生魚にはビタミンBを分解する酵素が含まれています。
ビタミンBが不足すると運動機能に障害がでてきます。
また、体の脂肪に炎症がおこり、全身に激しい痛みがあらわれることもあります。
どちらも生魚が主食になっているネコちゃんで起こるもので、今までの経験では、漁港や魚市場で餌をもらっていたネコちゃんで何頭か診たことがあります。
たまにおやつ程度に与えるのなら、それほど神経質にならなくても良いでしょう。また、熱を加えると大丈夫です。

◯肉だけの食事
イヌ・ネコは高タンパクの食事が良いのですが、前述の魚やお肉だけの食事になると、栄養に偏りがでてしまいます。
お肉にはリンという成分が多く含まれており、過剰に摂取すると骨からカルシウムが溶け出してしまいます。
「コーラを飲み過ぎると骨が溶けるよ!」って言うのは、同じようにコーラにリンが多く含まれるからです。

生肉は人が食中毒を起こすのと同様、動物でも食中毒をおこします。
「獲物をつかまえて食べているから大丈夫じゃない?」と思われますが、それは食中毒の菌が増殖する前のとても新鮮な生肉を食べるからです。
牛肉の出血性大腸菌、鶏肉のキャンピロバクター、豚肉のトキソプラズマが代表的な人・動物ともに危険な病原体です。

◯スルメ
胃や腸で水分を吸って膨らみ、通過障害を引き起こします。
動物は餌をほぼ丸呑みするので、私たちよりも腸閉塞を起こしやすく、そうなると緊急手術になります。
結構ヒトにもあるので、私たちもよく噛んで食べましょう。

◯アワビなどの貝類
貝類に含まれる毒素が影響して皮膚炎をおこします。
紫外線が関与していて、毛の薄い耳に症状が出やすいです。
「アワビをネコに与えると耳が落ちる」という話まであります。
これも体質によっては人でも起こるそうですよ。

イヌ・ネコに与えないほうが良い食材をいくつかあげましたが、これ以外にも身近な毒物(特に植物)は数多くあります。
またそれらに対する反応や症状の程度は、個々の体質で大きく変わります。

説明してきた食材の中には
普段から与えている物もあると思います。
危ないからと大好きなものを完全にストップすると
その子の喜びや楽しみも奪いとってしまいかねません。
何事も程々が良いと思います。
私達ヒトもお菓子やコーヒー等を程々に楽しんでいます。
動物もヒトも健康管理にはバランスが必要です。

「病院の新人スタッフでーす!もっと食べたいニャー。」

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 11:46Comments(0)病気の説明

2011年06月20日

与え過ぎに注意

今回は前回の食材に比べ毒性は低いが
与えすぎると体調を崩すおそれのある食材です。

◯生卵の白身
火を通していない卵白を過剰に与えすぎると
ビオチンというビタミンが不足することがあります。
ビオチン欠乏症は皮膚や筋肉に炎症を引き起こすことが知られています。
毎日 生卵をもらっていた犬が慢性の皮膚炎を起こしていた症例を見たことがあります。
卵が好きなワンちゃんも、ご褒美程度にあげるくらいが良いでしょう。

◯煮干や海苔
子供の時に
「骨を丈夫にする為に食べなさい!」って言われませんでしたか?・・・・我が家でも息子に食べさせていました。
小魚や海苔には骨の成長を助けるカルシウムやマグネシウムといった、ミネラル分が多く含まれます。
ミネラルが過剰になると、尿結石の危険性が高くなっていきます。
でも、大好きなネコちゃん多いですよね・・・。
煮干やかつおぶしが主食にならないように
おやつ程度にとどめておいたほうが良いです。

◯牛乳
牛乳を飲んだらお腹の調子が悪くなる人っていますね。
牛乳には乳糖という成分が含まれています。
この乳糖を分解する酵素をあまり持っていない人・動物は乳糖が消化できず、下痢をおこしてしまいます。
動物は人よりも下痢を起こすケースが多いようです。
また、牛肉のアレルギーを持っている場合は牛乳でもアレルギーを引き起こすので注意が必要です。

「牛乳おいしいんだよね。少し頂戴」

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 14:18Comments(0)病気の説明

2011年06月19日

危ない食べ物

今回から数回に分けてイヌ・ネコに与えてはいけない食べ物についてお話しします。
程度の差はあれ、危ない食べ物はたくさんありますので、代表的な食べ物についてご説明します。
一般的に問題ない食材でも、その子によって合う・合わないがありますのでご注意ください。

食べると危ない物(死亡例が報告されている食べ物)

◯タマネギ・ニンニク・ニラなどのネギ類
動物に与えてはいけないもので有名な食材です。
赤血球に含まれるヘモグロビンを変化させ
その結果赤血球の破壊(溶血)を引き起こします。
溶血が進むと貧血と黄疸がおこり、全身の状態が悪化します。急激に症状が進むと尿が赤くなります。
ネギ類の毒性成分は火を通しても変化しません。
また、おつゆやスープの中にも溶け出すので、調理後にネギ類を取り除いたスープを与えても中毒を起こします。
ネギ類をどれくらい食べたら中毒を起こすかはその個体によって違います。飼い主さんが気づかないくらい少量でも急性症状をおこす事があるので注意してください。
ちなみに、私たちヒトでもタマネギを食べる習慣がない地域ではネギ中毒が起こるそうです。

◯チョコレート、ココア、コーラ、コーヒー、お茶
カフェインやその仲間のテオグロビンという物質が含まれています。
下痢や嘔吐に始まり、重度ではケイレン、呼吸促迫、突然死が起こります。
チョコレートはカカオの含有量が多くなるほど危険性が上がります。

◯骨
鳥の骨は縦に鋭く割れるので、食道や腸に刺さってしまうことがあり非常に危険です。
また、テビチの骨をあげると非常に固い便になり、排便困難で来院する例があります。
それと、ソーキの骨が上顎に挟まって取れなくなるワンちゃんが多いです。
沖縄ならではですね。お気をつけください。

◯ブドウ・レーズン
成分の特定はされていませんが、海外では百例ほどが中毒にかかり、うち数頭が死亡したとの報告があります。

◯キシリトール入りの物
ヒトはキシリトールを体に吸収しませんが、イヌは吸収してしまいます。キシリトールが体内に入ると低血糖を引き起こします。
徳用サイズのガムをボトルごと食べたり歯磨き粉を食べたりしたイヌが命を落とした報告があります。
小型犬では数枚のガムでも重い症状が出ると言われていますので気をつけてください。
 
次回も危ない食材についてご説明します。
いかがでしたか?
意外な物もありましたか?

「お母さんがくれるフードは安全でーす」


「私はジャンピングキャッチよ」

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 16:37Comments(0)病院の日常

2011年06月18日

栄養

当院では月に2~3回勉強会を行っています。
昨日は動物の栄養学をテーマに行いました。

まず、食の習慣ですが、ヒトは雑食、イヌは肉食よりの雑食、ネコはほぼ肉食です。
その為、必要な栄養素が異なりますので、イヌは犬用のご飯、ネコは猫用のご飯を与えないと栄養のバランスが乱れてしまいます。
特に、私たちが普段食べるご飯ではタンパク質やカルシウム、鉄分をはじめ、10種類以上の栄養素が大きく不足します。逆に塩分はかなり過剰に摂取することになるので、長期間与え続けるのはよくありません。

動物の栄養に配慮した手作りごはん
またはペットフード公正取引協議会が定めた「総合栄養食」と書かれたフードが健康維持に適しています。

次回は動物に食べさせてはいけない・食べさせないほうが良い食べ物について説明します。

飼い主さんに良い情報を提供できるように日頃から様々な事をスタッフで勉強しています。
病気のこと、飼い方のこと、疑問に思ったことは
何でも気軽に相談ください。
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 15:37Comments(4)病院の日常

2011年06月16日

往診

水曜日の午後は休診です。
予防注射の予約がありましたので、恩納村まで往診にでかけました。

海がとても綺麗です。


当院は休診時間を利用しての往診も行っております。
来院する交通手段がない、
頭数が多くて一度に連れてこられない等、
来院が難しい方はご相談ください。

症状によっては往診での治療が難しい場合もございますので、症状をできるだけ詳しくお聞かせくださるようお願いいたします。  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 10:54Comments(0)病院の日常

2011年06月14日

未来の獣医さん?

当院は小学校の通学路のようで、毎日小学生達がお手伝いにきてくれます。


院内では、ハナやナミがお出迎えです。



入院の動物を見舞ってくれたり、病気のことや動物の飼い方など、たくさん質問してくれて、
午後の診察前に賑やかな時間が過ごせます。

動物に関心を持ってくれるとうれしくなりますね。
将来獣医師や動物看護師になってくれるかも?

「今日も楽しかったワン」

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 12:22Comments(0)病院の日常

2011年06月13日

熱中症について

沖縄は梅雨があけて、毎日うだるような暑さです。
この時期になると緊急で来院されるワンちゃんが増えてきますが、その多くは「熱中症」です。

ワンちゃんはヒトと違い、体から汗をほとんどかきません。体が熱くなったら汗をかく代わりに、口を開け、舌を出して呼吸を行います。そうすると唾液の水分が蒸発するときに熱を奪ってくれます。
ただ、全身に汗をかいて体温調節するのに比べると効率は劣ります。日本のように湿度が高いと、蒸発による調節は更に難しくなります。お風呂場や玄関のタイル・コンクリート上、庭の土を掘って寝そべるのも体温調節の一つなのでしょう。

このような理由でワンちゃんは私たちより暑さが苦手です。
日頃から呼吸がスムーズでない短頭種、シベリアン・ハスキーなど寒い地方出身のイヌ、そして心臓の病気を患っているイヌは更に暑さに弱いので気をつける必要があります。

症状
・高体温(内股あたりを触ってみてください)
・呼吸困難
・下痢、嘔吐、脱水症状など。
・重症ではケイレン発作や意識がもうろうとします。

体温が42℃を超えるあたりから、細胞のタンパク質が変化して、壊れ始めます。
例えるなら、卵に火を通すと白身が固まっていくのと同じことが、体の中で始まります。
これは死を意味する、非常に危険な状況です。
体温計の目盛りが42℃までしかないのはこの為です。

治療
体を冷やす事と、水分の補給が最初に行うべき治療です。
全身に水をかけて冷やします。
冷水や氷を使うと、血管が縮んで体温が下がりにくくなるとの意見もあるので、水道水が良いと思います。
この処置は早ければ早いほど良いので、熱中症と思ったらすぐ行ってください。
そして、水を与えます。私たちと同じで、ただの水よりもスポーツドリンクの方が水分の吸収が良いので、あるならスポーツドリンクを与えてください。
熱中症にかかると肝臓に障害が起こり、数日後に体調が悪化することもあるので注意が必要です。

予防はとにかく温度管理と水を切らさないことです。
車内での熱中症が一番多いです。
「すぐ戻ってくるから」と窓を少し開けて車に残すことは大変危険なのでお避け下さい。

私たちも、ワンちゃんも熱中症に気をつけて、今年の夏も乗り切りましょう!

「木陰でお昼寝。涼しくて最高!」

  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 11:39Comments(6)病気の説明

2011年06月11日

フィラリア予防

今回はフィラリアについてです。

フィラリアは別名「犬糸状虫」とも言われる主に犬の寄生虫で、犬の体内が一番住みやすいようです。
しかし、蚊の多い地域では「ネコ」や「ヒト」でも感染の報告があります。

フィラリアは蚊が仲立ちします。
フィラリア症に感染している犬の血液にはフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)がいます。
血液と一緒に蚊の体内に入ったミクロフィラリアは、蚊が次の動物を吸血するときに体内に潜り込みます。
動物の体の中に入ったミクロフィラリアは成長を続け、最終的には肺動脈や心臓の右側に寄生します。
これによって血液の流れが悪くなり、体に様々な障害が出始めます。

◯フィラリアでよく見られる症状
・元気・食欲が落ちてくる
・咳が出る
・痩せてくる・お腹が膨らんでくる・・・など
・急性症状では赤い尿や呼吸困難がみられます。

飼い主さんが症状に気づいた時には、すでに病気が進行していて治療が難しい事もあります。
蚊が多い地域、フィラリア予防が浸透していない地域では、常にワンちゃんが亡くなる原因の上位にフィラリア症がきます。

◯治療
フィラリアの成虫を駆除する治療法がありますが、症状が進行していれば治療の危険性も上がります。
駆除薬を使えないケースも多いです。
その場合は対処療法が中心になります。

◯予防
ご説明してきたように、フィラリア症は犬にとって非常に怖い病気です。
また、治療も安全とはいいきれません。
フィラリア症には予防が最良の方法です。
よく「うちは蚊取り線香をつけているから大丈夫」という話をお聞きしますが、私たちでも一生蚊に刺されないという事はないと思います。
蚊取り線香をかいくぐって、たまたま犬を刺した蚊がフィラリアを持っていたら、その犬はフィラリア症になる可能性があるということです。
現在、フィラリア症の予防には定期的な予防薬投与しかありません。

予防薬は
粉薬・錠剤・おやつのようなチュアブルタイプ・ノミ駆除と一緒になったつけるタイプ(スポット製剤)・注射薬
のように、多くの製剤が作られています。
正しく使用すればどれも完全にフィラリアを予防できます。
動物病院にご相談の上、ワンちゃんにあった予防薬をお使いください。

近年ネコでもフィラリア症が報告されています。
猫は体が小さいので症状が強くあらわれます。
突然死の原因になっていると言われていますので、暑い地域で、外に出るネコちゃんは予防の価値は高いと思います。


「このおやつ、お薬なの?!」
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 11:28Comments(0)病気の説明

2011年06月07日

マダニの話

今回はマダニについてお話しします。

マダニは動物の中でも
特にイヌを悩ませるクモに近い生き物です。
大きさは2ミリから3センチくらいですが
血を吸うと体が何十倍にも膨らんで大きくなります。
マダニはヒトも刺すのでご注意ください。

大人の雌マダニは、地面の暗く湿ったところに
約3000個!の卵を産みます。
生まれた幼ダニはイヌに寄生し
数ヶ月生きられる位のご飯(血液)を飲み貯めします。
お腹いっぱいになった幼ダニは、一度イヌを離れて地面で脱皮して若ダニになります。若ダニは再びイヌに寄生して、やはり血液を「飲み貯め」した後イヌを離れ
大人の成ダニになります。
成ダニは子孫を増やすためにどんどん吸血します。

一匹のマダニが3000個卵を生むので、マダニに適した高温多湿の環境では凄まじい勢いで繁殖していきます。温暖化で適温の時期が長くなっているのか
冬でも大量寄生が見られるようになりました。

マダニによる主な病気
◯ダニ咬傷による皮膚炎
 ダニもノミと同じく、吸血時に唾液を注入しますが
ノミの唾液が全身のアレルギーを引き起こすのに対し
ダニの場合は吸われたところに限定して炎症が起こることが多いようです。
吸われたところは蚊に刺されたような状態になります。
 また、ダニは吸血中、イヌに振り落とされないように
クチバシから「接着剤」を出してくっついています。
ダニを見つけて手で取ったり、イヌが自分で掻いてダニを落とすとクチバシが皮膚に残った状態になります。
すると、そこから炎症や感染症が起こります。

◯ダニによる貧血
 成ダニは1匹が1週間に5CCくらい吸血します。
100匹の寄生では500CCになりますから、仔犬はもとより大型犬でも全身にダニが寄生されると貧血がおきます。
 早いうちにダニを駆除すれば体が血液を再生しますが、時には輸血が必要となります。

◯バベシア症
 ダニの体にバベシアという原虫がいると、吸血の時にダニの唾液と一緒にバベシアもイヌに注入されてしまいます。バベシアはイヌの赤血球に寄生して発熱や貧血・黄疸を引き起こします。
ヒトの病気のマラリアによく似ています。
 バベシアは発見が遅れると死に至ることもある、恐ろしい病気です。また、治療しても完全にバベシアを駆除することが難しい事もあります。
とにかくダニに吸われないことが大事です。

その他にも
ダニは日本紅斑熱やライム病等、ヒトがかかる病気も移します。
ノミほど痒みが出ないので、ダニに吸血されていることに気づかない方もいます!怖いです・・。

ダニは薬を定期的に使用して予防するのが基本です。
ダニは吸血しなくても最長5ヶ月は生きていられます。
その為、ひとたび寄生され卵を産まれてしまうと駆除が本当に大変です。
また、ダニは植物の葉の先で手を広げて動物が来るのを待っています。
散歩の時には花壇に首を突っ込ませない、草むらや芝生を避けるのも予防効果があります。
ついたダニは、ダニのくちばしが残ってしまうので手で取るより、お薬で駆除するほうが良いです。
駆除・予防薬は、体につける薬(スポットタイプ・スプレータイプ)、飲み薬、首輪などがあります。
ワンちゃんに適した薬をご使用ください。


「予防?やってるワン!」
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 19:42Comments(0)病気の説明

2011年06月04日

夏服

沖縄は台風が去り ジメジメした暑い日が続いています。

動物スタッフのハナが涼しげな服で出勤してきました。
アロハー


なみ「私の服は小さくない?」

成長期のなみは、日に日に大きくなっていきます。

この前までは棚の下に入れたのにぃー

毎日楽しい院内です。  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 15:59Comments(0)病院の日常

2011年06月03日

ノミの話

今回は今一番来院の理由で多い、ノミについてお話しします。

 ノミはイヌノミ・ネコノミ・ネズミノミ・ヒトノミなど、現在約2000種類知られていますが、イヌ・ネコ・そして人も刺して困らせているのはネコノミです。

 ネコノミが大発生する理由に、繁殖力の凄さがあります。ネコノミが動物に寄生するとすぐに血液を吸い始め、次の日から毎日15個ぐらいの卵を産みます。
卵は床に落ちて数日で孵化し、温度・湿度が高い環境では2週間以内に成虫になり、近くを通る動物や私たちの足に飛びつきます。
 ワンちゃんやネコちゃんに数匹ノミが付いたとしたら、飼育している環境(室内飼いなら家中に)一ヶ月で数十万匹に増える計算になります。
ねずみ算式どころじゃないですね。

ノミが関係する代表的な病気

◯ノミアレルギー性皮膚炎
 ノミの寄生で一番多く見られる症状です。イヌ・ネコでは主に腰の毛が薄くなり、ヒトは手や足に湿疹が現れます。ノミが吸血するとき、動物の体に唾液を注入します。その唾液にアレルギー反応を起こして強い痒みや水ぶくれができます。個体差があって、敏感なイヌ・ネコやヒトは一匹のノミの唾液だけで全身に症状が現れます。

◯瓜実条虫
 ヒトも伝染る腸の寄生虫です。お尻や便から1センチくらいの動いた虫体が出てきて見つかります。条虫は小さな寄生虫ですが、動物の体の中では50センチぐらいの長さで寄生しています。
 動物が毛づくろいをするとき、一緒にノミを食べることがあります。その時にノミの体内にいる条虫の子供もお腹に入っていき、寄生が始まります。
 飼っている動物にノミがいるとき、見つけたノミを爪で潰す方は、爪についた条虫の幼虫が口に入るおそれがあるので注意してください。また、家でノミが繁殖すると、眠っているときに口の中にノミが飛び込む事も考えられます。

◯ヘモバルトネラ症
 ネコに伝染る血液の寄生虫で、貧血や発熱を起こします。別名ネコ伝染性貧血と言われます。

ノミアレルギー性皮膚炎、瓜実条虫感染症は診察の中で頻繁に遭遇します。また、ヘモバルトネラ症も少なくありません。

◯猫ひっかき病
 ヒトで問題になる病気です。名前のようにネコに引っかかれたり、ノミの吸血の際に伝染ります。脇や足の付け根にあるリンパ節が大きく腫れて微熱が出ます。お年寄りや体の抵抗力が落ちているときは重症化することもあるそうです。年間数万人が感染していると言われています。

その病気・症状に合わせた治療を行っていきますが、とにかくノミの駆除と予防が基本です。
ノミがいなければこれらの病気にかかる事はありません。
動物を含めた家族全員の病気の予防と考えて、ノミ駆除を行ってください。

それと、意外かもしれませんが、ノミは動物から動物へとはあまり移りません。
多くは床に落ちた大量の卵が成長して動物に飛びつき、寄生・吸血します。
ワンちゃん・ネコチャンには飛びついてきたノミを速やかに駆除し、卵を産ませない薬を使い、こまめに掃除機をかけて卵や幼虫を吸い取る事で、家中のノミが減っていきます。
卵は最長で半年生き続けますので、ノミ駆除も半年がかりと思ってください。

ノミは嫌いだニャー
  


Posted by こにし動物病院・夫婦 at 11:17Comments(0)病気の説明