2011年07月03日
猫の尿石症
今週は1週間のうちにネコの尿石症を数例診断したので、猫の尿石症についてお話しします。
尿石症とは、おしっこを作る腎臓から外に出す尿道までの間に尿結石が出来る病気です。
猫の尿結石の多くは砂状です。
猫の場合、膀胱で結石が作られ、それが尿道に詰まるケースが殆んどです。
原因はいくつか考えられます。
◯食事によるもの
ご飯に含まれるマグネシウムやカルシウム等のバランスが悪かったり、タンパク質の量が少ないと結石ができやすいようです。
硬度が高い水(硬水)にはマグネシウムが多く含まれるので尿石症になりやすいと言われています。
◯水分の摂取不足
おしっこが濃くなると、尿の中に含まれるマグネシウムが結晶化してきます。
もともと猫は砂漠地域に棲んでいたと言われています。その為水分をムダにしない腎臓の作りになっていて、他の動物より尿が濃く作られます。
そして、本来ネコは鳥やねずみ等、生きた動物を捕まえて食べていたので、餌として捕まえた動物の血液や筋肉に含まれる水分を利用し、水を飲むという習慣がありませんでした。
この為ドライフードを食べている全ての猫にあてはまるわけではありませんが、尿結石のできやすい子は水分不足も考えられます。
◯トイレの回数が減る
おしっこが長時間膀胱の中にとどまっていると、尿が変質(アルカリ化)して結石ができやすくなります。
環境が変わる、家に来客がある等、トイレに行きづらい時に尿石症が起こりやすいです。
九州より北の地域では、尿石症は冬に多いです。
その原因に「コタツ」が関係しているのでは?という説もあります。
コタツの中が気持良過ぎてトイレに行きたがらず水分摂取量が減るからだそうです。
◯肥満
食事量が増えてマグネシウムが多くなる、トイレに行くのが億劫になるなど、いろいろな説がありますが、尿石症で来院する猫のほとんどが肥満傾向なので、肥満と尿石症は関係があると思います。
◯感染症
尿に細菌が感染すると、尿がアルカリ性になってきます。アルカリ性になるとマグネシウム結石ができやすくなります。
感染が原因の尿石症はオスよりもメスで多く見られます。
症状
一番多いのはおしっこが出ない・出にくくなる症状です。
トイレに出たり入ったり、トイレの中に入りっぱなしになったりします。
また、おしっこをする姿勢をとっても出せなかったり、叫びながらおしっこをする事もあります。
メスでは血尿や頻尿など、膀胱炎の症状がみられます。
おしっこが完全に出なくなると、尿毒症がおこります。
尿毒症とは、おしっこの中に含まれる体に不要なものが外に出せずに中毒をおこすことです。
食欲がなくなることに始まり、重症になると吐き気、ふらつき、ケイレン発作などが起きます。
2~3日おしっこが出ないと、尿毒症で非常に危険な状態になるので、おしっこが出ていないかな?と思ったら早めに受診してください。
次回は尿石症の診断や予防についてお話しします。
「暑い日は木陰がいいよね」
尿石症とは、おしっこを作る腎臓から外に出す尿道までの間に尿結石が出来る病気です。
猫の尿結石の多くは砂状です。
猫の場合、膀胱で結石が作られ、それが尿道に詰まるケースが殆んどです。
原因はいくつか考えられます。
◯食事によるもの
ご飯に含まれるマグネシウムやカルシウム等のバランスが悪かったり、タンパク質の量が少ないと結石ができやすいようです。
硬度が高い水(硬水)にはマグネシウムが多く含まれるので尿石症になりやすいと言われています。
◯水分の摂取不足
おしっこが濃くなると、尿の中に含まれるマグネシウムが結晶化してきます。
もともと猫は砂漠地域に棲んでいたと言われています。その為水分をムダにしない腎臓の作りになっていて、他の動物より尿が濃く作られます。
そして、本来ネコは鳥やねずみ等、生きた動物を捕まえて食べていたので、餌として捕まえた動物の血液や筋肉に含まれる水分を利用し、水を飲むという習慣がありませんでした。
この為ドライフードを食べている全ての猫にあてはまるわけではありませんが、尿結石のできやすい子は水分不足も考えられます。
◯トイレの回数が減る
おしっこが長時間膀胱の中にとどまっていると、尿が変質(アルカリ化)して結石ができやすくなります。
環境が変わる、家に来客がある等、トイレに行きづらい時に尿石症が起こりやすいです。
九州より北の地域では、尿石症は冬に多いです。
その原因に「コタツ」が関係しているのでは?という説もあります。
コタツの中が気持良過ぎてトイレに行きたがらず水分摂取量が減るからだそうです。
◯肥満
食事量が増えてマグネシウムが多くなる、トイレに行くのが億劫になるなど、いろいろな説がありますが、尿石症で来院する猫のほとんどが肥満傾向なので、肥満と尿石症は関係があると思います。
◯感染症
尿に細菌が感染すると、尿がアルカリ性になってきます。アルカリ性になるとマグネシウム結石ができやすくなります。
感染が原因の尿石症はオスよりもメスで多く見られます。
症状
一番多いのはおしっこが出ない・出にくくなる症状です。
トイレに出たり入ったり、トイレの中に入りっぱなしになったりします。
また、おしっこをする姿勢をとっても出せなかったり、叫びながらおしっこをする事もあります。
メスでは血尿や頻尿など、膀胱炎の症状がみられます。
おしっこが完全に出なくなると、尿毒症がおこります。
尿毒症とは、おしっこの中に含まれる体に不要なものが外に出せずに中毒をおこすことです。
食欲がなくなることに始まり、重症になると吐き気、ふらつき、ケイレン発作などが起きます。
2~3日おしっこが出ないと、尿毒症で非常に危険な状態になるので、おしっこが出ていないかな?と思ったら早めに受診してください。
次回は尿石症の診断や予防についてお話しします。
「暑い日は木陰がいいよね」
Posted by こにし動物病院・夫婦 at 19:29│Comments(0)
│病気の説明
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