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てぃーだブログ › 動物と暮らす・こにし動物病院 › 病気の説明 › おしりの炎症

2011年07月08日

おしりの炎症

今日は「肛門嚢の炎症」についてお話しします。

肛門嚢(のう)とは肛門の両側にある袋状の物で
袋の中には肛門腺という、独特のニオイがする液を貯めています。
この袋は皮膚の下にあって外からは見えません。
イヌ・ネコどちらも持っています。

肛門腺は、排便の時に一緒に出て便の表面にくっつき、縄張りの匂いづけを行います。
また、興奮したり、びっくりしたときに思わず「びゅっ!」と飛び出します。

体が小さくて袋の出口が細い子や、室内飼いで自由に排便ができない子では、肛門腺が溜まりやすくなります。
肛門腺が溜まってくると最初はサラサラな液がしだいに固まり、歯磨きペースト状になってしまいます。

こうなると肛門腺は外に出ていかず、どんどん溜まります。
溜まるとむず痒くなるようで、地面におしりをこすりつけて歩いたり、ずーっとおしりを舐めていたり、どうしようもなくて突然ダッシュしたりするようになります。

この段階で飼い主さんが気づいて来院していただけたら、獣医師が肛門嚢を押して溜まった腺を搾り出します。
これで症状は大抵落ち着きます。

むず痒いサインを見逃してしまい、処置が遅れると、肛門嚢が破裂して、おしりの横に穴があき、血の混じった膿が出てきます。
「お尻から出血している!」と来院される症例の多くは、この肛門嚢の破裂です。
破裂すると強い痛みを伴います。
治療は、破裂した肛門嚢を洗浄し、化膿止めや痛み止めを使います。
治るまでには約1~2週間かかります。

猫ちゃんの場合、肛門嚢が破裂するとおしり周りの皮膚が広く壊死する事があります。
その場合は手術による皮膚の縫合が必要です。

この病気は、溜まったときのサインを見落とさないようにするのが非常に大事です。
初期のうちに肛門腺を絞って済むものが、破裂し長期の薬や手術となると負担が違います。
どの病気にも言えますが「早期発見・早期治療」が良いですね。
この病気に限らず
「何かいつもと違う?」と感じたら、遠慮無く動物病院へ
ご相談ください。
初期の小さな変化のうちに対処してあげましょう。

肛門嚢炎を起こした子は定期的に肛門腺を出してあげることが再発の予防になります。
肛門腺の溜まり具合は個体差があり、全く絞る必要がない子もいれば、月に一回の子、2週間に一回の子もいます。
肛門腺絞りは動物病院や美容室に御相談ください。

「一緒におしりも絞ってね。おかあさん」
おしりの炎症
「シャンプーしながら私で遊んでない?」



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Posted by こにし動物病院・夫婦 at 18:57│Comments(0)病気の説明
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