2012年03月23日
休診日に関するお知らせ
ブログをご覧いただき ありがとうございます。
これまで
水曜日午後と休診日の木曜日は、スタッフが待機して
フードやシャンプー等の販売などを行っていましたが
4月からしばらくの間、スタッフが休みをとります。
フードやノミダニ・フィラリア予防薬の受け取りは
診察時間内にお願いします。
診察時間
・金、土、日、月、火曜日・・・午前9時から午後7時
・水曜日・・・午前9時から午後1時
皆様にはご不便をおかけしますが
よろしくお願い致します。
急患は、今まで通り、時間外でも対応します。
お困りの際は、来院前にお電話下さい。
これまで
水曜日午後と休診日の木曜日は、スタッフが待機して
フードやシャンプー等の販売などを行っていましたが
4月からしばらくの間、スタッフが休みをとります。
フードやノミダニ・フィラリア予防薬の受け取りは
診察時間内にお願いします。
診察時間
・金、土、日、月、火曜日・・・午前9時から午後7時
・水曜日・・・午前9時から午後1時
皆様にはご不便をおかけしますが
よろしくお願い致します。
急患は、今まで通り、時間外でも対応します。
お困りの際は、来院前にお電話下さい。
2012年02月06日
トキソプラズマ症
この病気はヒトの妊娠中に赤ちゃんの流産や奇形を引き起こすことがあるので、
妊婦=ネコはダメ
のような話が出ることもありますが、決してそうではありません。
妊娠しても正しい知識を得ることで、ネコと楽しく暮らすことができます。
病因
トキソプラズマ原虫によって感染します。
原虫とはミドリムシやゾウリムシみたいな小さい生き物の一種のことです。
トキソプラズマは哺乳類や鳥類に感染して生きることは出来ますが、その動物の外へ自由には出られません。
ライオン・トラ・ネコ等、ネコ科の動物に感染した時だけ、動物の糞と一緒に外へ出ることができます。
動物に感染すると、原虫達は「いつかライオン達に食べてもらって、子孫を外へ出したい!」と思いながら?筋肉や心臓へ移動してじっとしています。
野生の世界だと、主に食べられた動物から食べた動物へ感染していきます。「稀に」ネコ科の糞から感染します。
私たちヒトは感染しているお肉から原虫が感染する場合が多いです。ごくごく稀にしかネコの糞からは感染しません。
症状~ネコの場合
ネコがトキソプラズマに感染してもほとんどが無症状です。
免疫力の弱い仔猫やエイズ・白血病ウイルス感染症を持ったネコでは下痢をおこす場合があります。
ネコが「生まれて初めて」トキソプラズマに感染した場合、トキソプラズマは子孫を増殖させて、猫の糞と一緒に外へ出てくると先程書きましたが、わずか1~2週間しかネコの外へ出られません。
感染したネコは感染1~2週間で抗体という武器を作り、トキソプラズマを攻撃します。抗体を作ったネコの体の中ではもう増えることはなく、体の中でじっとしています。
ネコの体内でトキソプラズマの抗体が作られたら、その後の残りの人生?(猫生?)はトキソプラズマに感染しません。
症状がほとんど無いこと、糞便検査で原虫が見つかる期間が非常に短いことから、動物病院でトキソプラズマ感染症を診断することは非常に少ないです。
症状~ヒト・他の動物の場合
ネコ科以外の動物に感染してもほぼ無症状です。まれに微熱やリンパ節の腫れがあるといわれています。
感染するとネコと同様に抗体を作ります。抗体が出来ると、その後は感染しません。
☆妊娠中に「生まれて初めて」感染した時
お母さんは無症状の事が多いですが、胎盤から胎児へ原虫が移動し脳炎等重い症状を起こすことが知られています。
「感染したことがある」女性は妊娠しても問題ありません。
これから妊娠する可能性がある女性へのアドバイス
トキソプラズマ感染症のポイントは
1.抗体があればもう大丈夫
2.トキソプラズマは「筋肉」と「稀にネコの糞」から伝染る
ことです。
抗体は血液検査で調べることができます。妊娠する可能性がある方は病院へ行って検査してもらってください。陽性であればもう大丈夫です。
もし「陰性」であればその時に飼っているネコの検査してください。ネコが「陽性」ならネコが「トキソプラズマ入りの糞」はしません。「陰性」なら女性はトイレ掃除は避けたほうが良いでしょう。外に出た原虫は24時間以上経たないと次の動物へ感染できません。毎日トイレ掃除をすれば糞からの感染はまずありません。
ヒトにトキソプラズマが感染する経路で圧倒的に多いのは普段食べるお肉からです。
よく「豚肉はよく火を通しなさい」といわれるのは、豚肉にトキソプラズマが多くいてヒトへの感染が多かったことが由来です。豚肉以外でも、生肉を食べる地域では胎児へのトキソプラズマ感染が多いという報告があります。
トキソプラズマは熱に弱いのでお肉を良く焼いて食べれば大丈夫です。
まとめとして、女性の方は
◯抗体検査を受けてください。
◯お肉はよく火を通して食べてください。
◯妊娠したら念のため(衛生的にも)ネコのトイレ掃除は他の方にお願いしてもらってください。
これで妊娠中もネコと楽しく暮らせます。
ネコを手放す必要は全くありませんよ。
[妊娠中から一緒です」
妊婦=ネコはダメ
のような話が出ることもありますが、決してそうではありません。
妊娠しても正しい知識を得ることで、ネコと楽しく暮らすことができます。
病因
トキソプラズマ原虫によって感染します。
原虫とはミドリムシやゾウリムシみたいな小さい生き物の一種のことです。
トキソプラズマは哺乳類や鳥類に感染して生きることは出来ますが、その動物の外へ自由には出られません。
ライオン・トラ・ネコ等、ネコ科の動物に感染した時だけ、動物の糞と一緒に外へ出ることができます。
動物に感染すると、原虫達は「いつかライオン達に食べてもらって、子孫を外へ出したい!」と思いながら?筋肉や心臓へ移動してじっとしています。
野生の世界だと、主に食べられた動物から食べた動物へ感染していきます。「稀に」ネコ科の糞から感染します。
私たちヒトは感染しているお肉から原虫が感染する場合が多いです。ごくごく稀にしかネコの糞からは感染しません。
症状~ネコの場合
ネコがトキソプラズマに感染してもほとんどが無症状です。
免疫力の弱い仔猫やエイズ・白血病ウイルス感染症を持ったネコでは下痢をおこす場合があります。
ネコが「生まれて初めて」トキソプラズマに感染した場合、トキソプラズマは子孫を増殖させて、猫の糞と一緒に外へ出てくると先程書きましたが、わずか1~2週間しかネコの外へ出られません。
感染したネコは感染1~2週間で抗体という武器を作り、トキソプラズマを攻撃します。抗体を作ったネコの体の中ではもう増えることはなく、体の中でじっとしています。
ネコの体内でトキソプラズマの抗体が作られたら、その後の残りの人生?(猫生?)はトキソプラズマに感染しません。
症状がほとんど無いこと、糞便検査で原虫が見つかる期間が非常に短いことから、動物病院でトキソプラズマ感染症を診断することは非常に少ないです。
症状~ヒト・他の動物の場合
ネコ科以外の動物に感染してもほぼ無症状です。まれに微熱やリンパ節の腫れがあるといわれています。
感染するとネコと同様に抗体を作ります。抗体が出来ると、その後は感染しません。
☆妊娠中に「生まれて初めて」感染した時
お母さんは無症状の事が多いですが、胎盤から胎児へ原虫が移動し脳炎等重い症状を起こすことが知られています。
「感染したことがある」女性は妊娠しても問題ありません。
これから妊娠する可能性がある女性へのアドバイス
トキソプラズマ感染症のポイントは
1.抗体があればもう大丈夫
2.トキソプラズマは「筋肉」と「稀にネコの糞」から伝染る
ことです。
抗体は血液検査で調べることができます。妊娠する可能性がある方は病院へ行って検査してもらってください。陽性であればもう大丈夫です。
もし「陰性」であればその時に飼っているネコの検査してください。ネコが「陽性」ならネコが「トキソプラズマ入りの糞」はしません。「陰性」なら女性はトイレ掃除は避けたほうが良いでしょう。外に出た原虫は24時間以上経たないと次の動物へ感染できません。毎日トイレ掃除をすれば糞からの感染はまずありません。
ヒトにトキソプラズマが感染する経路で圧倒的に多いのは普段食べるお肉からです。
よく「豚肉はよく火を通しなさい」といわれるのは、豚肉にトキソプラズマが多くいてヒトへの感染が多かったことが由来です。豚肉以外でも、生肉を食べる地域では胎児へのトキソプラズマ感染が多いという報告があります。
トキソプラズマは熱に弱いのでお肉を良く焼いて食べれば大丈夫です。
まとめとして、女性の方は
◯抗体検査を受けてください。
◯お肉はよく火を通して食べてください。
◯妊娠したら念のため(衛生的にも)ネコのトイレ掃除は他の方にお願いしてもらってください。
これで妊娠中もネコと楽しく暮らせます。
ネコを手放す必要は全くありませんよ。
[妊娠中から一緒です」
2012年01月13日
クッシング症候群の話
生物の体にはホルモンという、情報を伝える物質が存在します。
ホルモンは甲状腺・膵臓等、内分泌器官といわれる所で作られ、多くの細胞に働きかけてその働きを調節します。
ホルモンの量は厳密に調整されています。この調整がうまく行かなくなると様々な障害が起こります。
以前お話しした甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが上手く作られない為に起こる病気です。
今回はもう一つの代表的なホルモン疾患である
クッシング症候群についてお話しします。
病因
腎臓のすぐ上に副腎という1㎝ 弱の器官があります。
副腎の外側(皮に近いところだから〈皮質〉と呼びます)から副腎皮質ホルモンという物質が作られます。
このホルモンが過剰に作られることで異常をきたすのがクッシング症候群です。副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。
この病気が起こる原因は、
1.副腎の働きを調節する脳の異常がある場合
2.副腎そのものに異常がある場合
3.ステロイド薬を長期・大量に使用した事で起こる場合
の3つに大きく分けることができます。
今回は1と2の場合についてご説明します。
症状(全てが現れる訳ではありません)
1.全身状態の変化
水を飲む量が増えます。重度の例では小型犬でも1日にバケツ1杯くらい飲む場合があります。飲む量が多いので、尿の量も増えます(多飲・多尿)。食欲も増えます。
筋肉の働きが悪くなるので、あまり動きたがらなくなります。呼吸する筋肉も弱るので、息が苦しそうに見えます。お腹の筋肉が弱り下腹部が垂れ下がるように見えます。
2.皮膚の変化
脱毛がみられます。皮膚が裂けそうな程薄くなります。皮膚が化膿したり、カサブタだらけになる場合もあります。
ケガをするとと治りにくくなります。
3.その他
高血圧や糖尿病、発作や麻痺が起こることもあります。
診断
血液検査・尿検査・超音波検査・レントゲン検査を組み合わせて診断します。
これらの検査でクッシング症候群の疑いが高まったら、血液中のホルモン量を測定して診断を確定します。
治療
作られすぎているホルモンを適正な量に下げることが治療の目標になります。
以前はホルモンを作っている「副腎皮質」を破壊する薬を投与して副腎皮質ホルモンの量を抑えていました。
しかし、この治療では副腎皮質を破壊しすぎてしまい、副腎皮質機能低下症という更に大変な病気にしてしまう危険性がありました。
近年、副腎の細胞を壊さずにホルモンの量を下げる薬が開発されました。この薬は安全性が高く、治療効果も高いので当院ではこの薬を使用しています。
治療に反応すると、数日で水を飲む量が減り始め、元気も出てきます。皮膚や全身の症状もゆっくりと改善していき、生活の質が向上します。
最後に
クッシング症候群は治療が遅れると多くの合併症を伴い、命を落としてしまいます。
ホルモン異常の病気はどれもそうですが、症状がうちの子、なんとなく年を取ったかなーくらいの変化しか出ないこともあります。本当の老化なのか、それとも病気なのかを判断する必要があります。
ハナ・ナミ
「今年もよろしくお願いしますだワン!」
ホルモンは甲状腺・膵臓等、内分泌器官といわれる所で作られ、多くの細胞に働きかけてその働きを調節します。
ホルモンの量は厳密に調整されています。この調整がうまく行かなくなると様々な障害が起こります。
以前お話しした甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが上手く作られない為に起こる病気です。
今回はもう一つの代表的なホルモン疾患である
クッシング症候群についてお話しします。
病因
腎臓のすぐ上に副腎という1㎝ 弱の器官があります。
副腎の外側(皮に近いところだから〈皮質〉と呼びます)から副腎皮質ホルモンという物質が作られます。
このホルモンが過剰に作られることで異常をきたすのがクッシング症候群です。副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。
この病気が起こる原因は、
1.副腎の働きを調節する脳の異常がある場合
2.副腎そのものに異常がある場合
3.ステロイド薬を長期・大量に使用した事で起こる場合
の3つに大きく分けることができます。
今回は1と2の場合についてご説明します。
症状(全てが現れる訳ではありません)
1.全身状態の変化
水を飲む量が増えます。重度の例では小型犬でも1日にバケツ1杯くらい飲む場合があります。飲む量が多いので、尿の量も増えます(多飲・多尿)。食欲も増えます。
筋肉の働きが悪くなるので、あまり動きたがらなくなります。呼吸する筋肉も弱るので、息が苦しそうに見えます。お腹の筋肉が弱り下腹部が垂れ下がるように見えます。
2.皮膚の変化
脱毛がみられます。皮膚が裂けそうな程薄くなります。皮膚が化膿したり、カサブタだらけになる場合もあります。
ケガをするとと治りにくくなります。
3.その他
高血圧や糖尿病、発作や麻痺が起こることもあります。
診断
血液検査・尿検査・超音波検査・レントゲン検査を組み合わせて診断します。
これらの検査でクッシング症候群の疑いが高まったら、血液中のホルモン量を測定して診断を確定します。
治療
作られすぎているホルモンを適正な量に下げることが治療の目標になります。
以前はホルモンを作っている「副腎皮質」を破壊する薬を投与して副腎皮質ホルモンの量を抑えていました。
しかし、この治療では副腎皮質を破壊しすぎてしまい、副腎皮質機能低下症という更に大変な病気にしてしまう危険性がありました。
近年、副腎の細胞を壊さずにホルモンの量を下げる薬が開発されました。この薬は安全性が高く、治療効果も高いので当院ではこの薬を使用しています。
治療に反応すると、数日で水を飲む量が減り始め、元気も出てきます。皮膚や全身の症状もゆっくりと改善していき、生活の質が向上します。
最後に
クッシング症候群は治療が遅れると多くの合併症を伴い、命を落としてしまいます。
ホルモン異常の病気はどれもそうですが、症状がうちの子、なんとなく年を取ったかなーくらいの変化しか出ないこともあります。本当の老化なのか、それとも病気なのかを判断する必要があります。
ハナ・ナミ
「今年もよろしくお願いしますだワン!」
2012年01月05日
新年の動物たち
あけましておめでとうございます
昨年は本当にありがとうございました。
今年もよろしくお願い致します。
こにし動物病院は1月6日9時より通常診療です。
みーちゃん
「ごはん大好き!今年も美味しいものたくさん頂戴」
ちょっぷ
「今年もいっぱい遊びまーす」
昨年は本当にありがとうございました。
今年もよろしくお願い致します。
こにし動物病院は1月6日9時より通常診療です。
みーちゃん
「ごはん大好き!今年も美味しいものたくさん頂戴」
ちょっぷ
「今年もいっぱい遊びまーす」
タグ :抱負
2011年12月18日
動物と暮らす
4月に開院し
皆様と
動物と暮らす喜びを分かち合うことが出来ましたことに
深く感謝いたします
ありがとうございます
年内は
12月31日(土)まで通常どおり診療いたします。
ペットホテルは年末年始も受け入れています。
皆様
良い新年をお迎え下さい。
2011年12月15日
ウサギのダニ
ウサギの皮膚や耳に寄生するダニの話
ウサギの皮膚の病気でよく遭遇するものにダニの感染があります。
ダニといえば犬に寄生する米粒~小豆サイズのダニが有名ですが、ウサギのダニは通常顕微鏡で見ないとわからないような小さなダニです。
病因
ダニが寄生しているウサギと接触したり、ウサギから落ちたダニの上を歩いたりすると感染します。
ウサギ同士は別のケージで飼育していて接触がなくても、遊ばせたり運動させたりする所が同じなら感染する可能性があります。
また、ウサギツメダニというダニはヒトにも感染し、ヒトを介して他のウサギに移ることがあります。
症状
白い綿のようなフカフカしたフケが出てきます。
痒くて掻いたり舐めたりして皮膚が見えるくらい毛が抜けます。この症状は首の後ろ側に見られます。
実は、この様な皮膚の症状が出るウサギはあまり多くなく、大半のウサギは無症状のままダニが寄生した状態になります。感染してから数年後に皮膚の症状が出るケースもあります。
発症してないウサギから他のウサギへの感染は学校のウサギ小屋といった多頭飼育の環境では大きな問題になります。
診断
ウサギの毛・フケを顕微鏡で調べます。
治療
殺ダニ剤を使用します。
注射・飲み薬・皮膚につけるタイプ等数種類あります。
気を付けないといけないのは、犬や猫用ノミ・ダニ駆除剤は安易にウサギには使ってはいけません。
犬や猫には安全でもウサギには危険なものがあります。
誤って使用するとかなりの割合で死に至るので、絶対に獣医師の指導を受けて薬を処方してもらって下さい。
その他
無症状のウサギが発症に向かう場合、ストレスや他の病気によって免疫力が落ちていることも考えられます。皮膚だけでなく全身の状態をチェックしてもらって下さい。
先に書いたようにウサギのダニはヒトにも寄生することがあります。ウサギは無症状でも飼い主さんに痒みや湿疹が出る場合はウサギのダニの可能性もあります。
通常はウサギの治療を行えばヒトの症状はすぐ改善します。
ウサギの体に白いフケやゴマのような物がついていたら早めに獣医師の診断を受けて下さい。
ウサギの皮膚の病気でよく遭遇するものにダニの感染があります。
ダニといえば犬に寄生する米粒~小豆サイズのダニが有名ですが、ウサギのダニは通常顕微鏡で見ないとわからないような小さなダニです。
病因
ダニが寄生しているウサギと接触したり、ウサギから落ちたダニの上を歩いたりすると感染します。
ウサギ同士は別のケージで飼育していて接触がなくても、遊ばせたり運動させたりする所が同じなら感染する可能性があります。
また、ウサギツメダニというダニはヒトにも感染し、ヒトを介して他のウサギに移ることがあります。
症状
白い綿のようなフカフカしたフケが出てきます。
痒くて掻いたり舐めたりして皮膚が見えるくらい毛が抜けます。この症状は首の後ろ側に見られます。
実は、この様な皮膚の症状が出るウサギはあまり多くなく、大半のウサギは無症状のままダニが寄生した状態になります。感染してから数年後に皮膚の症状が出るケースもあります。
発症してないウサギから他のウサギへの感染は学校のウサギ小屋といった多頭飼育の環境では大きな問題になります。
診断
ウサギの毛・フケを顕微鏡で調べます。
治療
殺ダニ剤を使用します。
注射・飲み薬・皮膚につけるタイプ等数種類あります。
気を付けないといけないのは、犬や猫用ノミ・ダニ駆除剤は安易にウサギには使ってはいけません。
犬や猫には安全でもウサギには危険なものがあります。
誤って使用するとかなりの割合で死に至るので、絶対に獣医師の指導を受けて薬を処方してもらって下さい。
その他
無症状のウサギが発症に向かう場合、ストレスや他の病気によって免疫力が落ちていることも考えられます。皮膚だけでなく全身の状態をチェックしてもらって下さい。
先に書いたようにウサギのダニはヒトにも寄生することがあります。ウサギは無症状でも飼い主さんに痒みや湿疹が出る場合はウサギのダニの可能性もあります。
通常はウサギの治療を行えばヒトの症状はすぐ改善します。
ウサギの体に白いフケやゴマのような物がついていたら早めに獣医師の診断を受けて下さい。
2011年12月08日
仔犬を飼い始めたら
病院には毎日のように仔犬の健康診断や予防注射があります。
初めて飼い始めた時の相談も多いので
今回は仔犬の体調変化についてお話しします。
生後二ヶ月の仔犬は人では3歳、
生後三ヶ月では5歳に相当します。
母犬の所、ブリーダーさんやペットショップで元気にしていた仔犬も、新しい家に迎え入れられると突然環境が変わり一人になるので、どうしても大きなストレスを感じ
体調を崩し易くなります。
仔犬の状態をよく観察して、変化があれば
早めに動物病院へご相談ください。
動きの変化
仔犬は良く食べて・遊んで・眠ります。
慣れないうちはじっとしていても、だんだんと遊び始めるのが普通です。
ずっと横になっていたり、体が冷たく感じる場合は低体温症や低血糖症等、緊急な状態が疑われます。
健康な仔犬の体温は39度前後で、触ると温かいです。
遊びながら耳や体をしょっちゅう痒がっていないか観てください。耳ダニやノミ・ダニ、真菌症の早期発見になります。
音や光に反応するかも健康状態のチェックに役立ちます。壁に頭を押し付けたり、頭が左右に揺れたりする場合は神経や肝臓の病気が考えられます。
食欲不振
家に来て直ぐにご飯を食べなくなった場合は、環境の変化によるストレスが考えられます。優しく接しながら御飯を口元へ持っていき、食事を促してあげて下さい。
丸一日食べない時は低血糖になる前に病院へ連れてきて下さい。
吐き気や下痢を伴うと脱水症状も起こすので早めの診察をお勧めします。
予防注射が打たれていない時は伝染病の可能性もあり得るので、ワクチンの接種歴は確認しておいて下さい。
◯吐き気
一度吐いた後も元気・食欲があれば様子を見て頂いて良いですが、吐き気を繰り返すようなら直ぐに診察を受けて下さい。
ストレス・感染症・異物の摂取等が考えられます。
◯下痢
下痢も吐き気と同様、繰り返すなら早めに診察を受けて下さい。特にケチャップの様な下痢(血便)は重症の可能性が高いです。
ストレス性の大腸炎、感染症や寄生虫、食事が合わないことによる小腸炎等が主な仔犬の下痢の原因となります。
仔犬は成犬の様に体力・免疫力が十分ではないので、ちょっとした体調の変化で重篤になりやすいです。
おかしいな?と思ったら早めの受診を心がけて下さい。体調に問題がなければ適切に予防注射を受けて下さい。
先日、食欲不振・下痢・嘔吐・低血糖の仔犬を預りました。
どうしても自分で御飯を食べてくれず、どんどん衰弱していくので、スタッフが家に連れて帰って看護してくれました。
ナミ「どうしたの?」
ハナ「大丈夫よ。元気出して」
ゴハンを食べるようになりました!
ハナ「良かったね。一安心だワン」
ハナ・ナミはどの動物にも優しく接してくれるので、とても助かります。
心のケアが上手な、大切な動物スタッフです。
初めて飼い始めた時の相談も多いので
今回は仔犬の体調変化についてお話しします。
生後二ヶ月の仔犬は人では3歳、
生後三ヶ月では5歳に相当します。
母犬の所、ブリーダーさんやペットショップで元気にしていた仔犬も、新しい家に迎え入れられると突然環境が変わり一人になるので、どうしても大きなストレスを感じ
体調を崩し易くなります。
仔犬の状態をよく観察して、変化があれば
早めに動物病院へご相談ください。
動きの変化
仔犬は良く食べて・遊んで・眠ります。
慣れないうちはじっとしていても、だんだんと遊び始めるのが普通です。
ずっと横になっていたり、体が冷たく感じる場合は低体温症や低血糖症等、緊急な状態が疑われます。
健康な仔犬の体温は39度前後で、触ると温かいです。
遊びながら耳や体をしょっちゅう痒がっていないか観てください。耳ダニやノミ・ダニ、真菌症の早期発見になります。
音や光に反応するかも健康状態のチェックに役立ちます。壁に頭を押し付けたり、頭が左右に揺れたりする場合は神経や肝臓の病気が考えられます。
食欲不振
家に来て直ぐにご飯を食べなくなった場合は、環境の変化によるストレスが考えられます。優しく接しながら御飯を口元へ持っていき、食事を促してあげて下さい。
丸一日食べない時は低血糖になる前に病院へ連れてきて下さい。
吐き気や下痢を伴うと脱水症状も起こすので早めの診察をお勧めします。
予防注射が打たれていない時は伝染病の可能性もあり得るので、ワクチンの接種歴は確認しておいて下さい。
◯吐き気
一度吐いた後も元気・食欲があれば様子を見て頂いて良いですが、吐き気を繰り返すようなら直ぐに診察を受けて下さい。
ストレス・感染症・異物の摂取等が考えられます。
◯下痢
下痢も吐き気と同様、繰り返すなら早めに診察を受けて下さい。特にケチャップの様な下痢(血便)は重症の可能性が高いです。
ストレス性の大腸炎、感染症や寄生虫、食事が合わないことによる小腸炎等が主な仔犬の下痢の原因となります。
仔犬は成犬の様に体力・免疫力が十分ではないので、ちょっとした体調の変化で重篤になりやすいです。
おかしいな?と思ったら早めの受診を心がけて下さい。体調に問題がなければ適切に予防注射を受けて下さい。
先日、食欲不振・下痢・嘔吐・低血糖の仔犬を預りました。
どうしても自分で御飯を食べてくれず、どんどん衰弱していくので、スタッフが家に連れて帰って看護してくれました。
ナミ「どうしたの?」
ハナ「大丈夫よ。元気出して」
ゴハンを食べるようになりました!
ハナ「良かったね。一安心だワン」
ハナ・ナミはどの動物にも優しく接してくれるので、とても助かります。
心のケアが上手な、大切な動物スタッフです。
2011年12月07日
年末・年始のお知らせ
本年も残すところあと僅かとなりました。
皆様 ありがとうございます。
年末・年始の診療時間をお知らせいたします。
◯年末の診療時間
平成23年12月31日(土)までは通常どおり診療いたします。
◯年始の休診
平成24年1月1日(日)~1月3日(火)
◯年始の診療時間の変更
平成24年1月4日(水)
通常は午前中診療ですが、誠に勝手ながら
午後4時~午後7時までの診療へ変更させて頂きます。
休診の日も緊急の場合は可能な限り対応いたします。
お困りの際はお電話下さい。
皆様 ありがとうございます。
年末・年始の診療時間をお知らせいたします。
◯年末の診療時間
平成23年12月31日(土)までは通常どおり診療いたします。
◯年始の休診
平成24年1月1日(日)~1月3日(火)
◯年始の診療時間の変更
平成24年1月4日(水)
通常は午前中診療ですが、誠に勝手ながら
午後4時~午後7時までの診療へ変更させて頂きます。
休診の日も緊急の場合は可能な限り対応いたします。
お困りの際はお電話下さい。
2011年11月29日
ネコのカリシウイルス感染症
最近寒くなって、仔猫のクシャミ・鼻水・目ヤニといった症状で来院される方が増えてきました。
今回はそのような症状の原因の一つである、
カリシウイルス感染症についてお話しします。
病因
カリシウイルスというウイルスが猫の気道の粘膜に感染して、風邪の様な症状を引き起こします。
ウイルスは持っている遺伝子が変化しやすく、インフルエンザのA型・B型の様にいろいろな型が存在します。
その為、稀にですがワクチンが効きにくいタイプが出現したり、死に至るような強毒型が広まったりします。
増殖したウイルスは感染した猫の鼻水や唾液、涙に出てきますので、グルーミング等で他の猫に伝染します。
また、ヒトの手や靴を介して広まっていく猫の病気としても知られています。
症状
感染すると2・3日で元気・食欲が落ち、発熱、クシャミ、鼻水、目ヤニ等があらわれます。これらの症状は以前お話ししたウイルス性鼻気管炎と同じ症状です。
ウイルスはいろいろなタイプがあるのでそれ以外にも関節炎・口内炎・下痢・肝炎・腎炎・流産・脳炎・・・等様々な症状が現れる可能性があります。
治療
ウイルスに対して特効薬はありません。
体の免疫力をあげる免疫療法、二次的な感染症を抑える抗菌剤を使用します。
体力の消耗が病気を悪化させる原因となるので、保温・流動食の投与、目ヤニや鼻水を取り除く等の看護が大切です。
予防
予防注射によってこの病気は予防可能です。ウイルスのタイプによっては完全な予防ができないこともありますが、症状を軽減することができます。
他の猫と交流がない室内猫であってもヒトを介して発症する症例は実際に見られるので、室内飼育の猫でもワクチン接種は必要です。
その他
このウイルスはヒトを介して伝染します。
1990年代にアメリカで致死率が40%という劇症型のカリシウイルス感染症が発生し、多くの猫が亡くなる事件がおこりました。調査の結果、このウイルスは保護された1匹の猫の体で変異したウイルスと判明し、保護団体のボランティアや新しい飼い主さんから他の猫へ伝染り、その猫達を触ったヒトから更に他の猫へと広まって行きました。車や飛行機によって、ウイルスは急速に広がっていったと考えられています。
このウイルスは通常の石鹸・洗剤やアルコールでは消毒されません。病気が疑われる場合は次亜塩素酸(漂白剤)を用いて食器やキャリー等を消毒します。
手はよく洗ってウイルスを洗い流した後に消毒します。
「注射の後のご褒美はポテトより猫缶の方がいいなー」
今回はそのような症状の原因の一つである、
カリシウイルス感染症についてお話しします。
病因
カリシウイルスというウイルスが猫の気道の粘膜に感染して、風邪の様な症状を引き起こします。
ウイルスは持っている遺伝子が変化しやすく、インフルエンザのA型・B型の様にいろいろな型が存在します。
その為、稀にですがワクチンが効きにくいタイプが出現したり、死に至るような強毒型が広まったりします。
増殖したウイルスは感染した猫の鼻水や唾液、涙に出てきますので、グルーミング等で他の猫に伝染します。
また、ヒトの手や靴を介して広まっていく猫の病気としても知られています。
症状
感染すると2・3日で元気・食欲が落ち、発熱、クシャミ、鼻水、目ヤニ等があらわれます。これらの症状は以前お話ししたウイルス性鼻気管炎と同じ症状です。
ウイルスはいろいろなタイプがあるのでそれ以外にも関節炎・口内炎・下痢・肝炎・腎炎・流産・脳炎・・・等様々な症状が現れる可能性があります。
治療
ウイルスに対して特効薬はありません。
体の免疫力をあげる免疫療法、二次的な感染症を抑える抗菌剤を使用します。
体力の消耗が病気を悪化させる原因となるので、保温・流動食の投与、目ヤニや鼻水を取り除く等の看護が大切です。
予防
予防注射によってこの病気は予防可能です。ウイルスのタイプによっては完全な予防ができないこともありますが、症状を軽減することができます。
他の猫と交流がない室内猫であってもヒトを介して発症する症例は実際に見られるので、室内飼育の猫でもワクチン接種は必要です。
その他
このウイルスはヒトを介して伝染します。
1990年代にアメリカで致死率が40%という劇症型のカリシウイルス感染症が発生し、多くの猫が亡くなる事件がおこりました。調査の結果、このウイルスは保護された1匹の猫の体で変異したウイルスと判明し、保護団体のボランティアや新しい飼い主さんから他の猫へ伝染り、その猫達を触ったヒトから更に他の猫へと広まって行きました。車や飛行機によって、ウイルスは急速に広がっていったと考えられています。
このウイルスは通常の石鹸・洗剤やアルコールでは消毒されません。病気が疑われる場合は次亜塩素酸(漂白剤)を用いて食器やキャリー等を消毒します。
手はよく洗ってウイルスを洗い流した後に消毒します。
「注射の後のご褒美はポテトより猫缶の方がいいなー」
2011年11月15日
イヌの甲状腺機能低下症
今回は高齢のイヌで多く見られる
甲状腺機能低下症
についてお話しします。
甲状腺とは動物の喉の近くにある器官で
甲状腺ホルモンの量を調節しながら放出しています。
甲状腺ホルモンは体中の細胞に働きかけて
代謝(エネルギーを作る化学反応)を調節します。
ヒトの女性に多い甲状腺ホルモンが過剰に放出される病気(バセドウ病等)では血圧や心拍数が上がったり
汗をかきやすくなる・手の震え等の症状が現れます。
逆に甲状腺のホルモン放出が少なくなると、体中の細胞がうまく働かなくなり様々な症状が現れます。
病因
甲状腺が何らかの原因で適正なホルモンの量を放出できなくなることが原因でおこります。
生まれつき甲状腺がうまく働かない場合もありますが非常に稀です。
この病気のほとんどは高齢のイヌで見られます。ゴールデン・レトリバーやドーベルマンなど、特定の犬種では2歳くらいから出てくることがあります。
甲状腺が働かなくなってくる原因はよく判っていませんが、自己免疫疾患(自分を病気から守る仕組みが、間違って自分の細胞を攻撃すること)による甲状腺炎・甲状腺萎縮がおこると言われています。純血種で若いうちから見られるので、遺伝ものも考えられます。
症状
甲状腺ホルモンは全身の細胞に働きかけるので、実に多くの症状があらわれます。全てが見られるわけではないので病気の判定には注意が必要です。
1,基礎代謝の低下
全身の代謝が落ちるので、活力・気力が落ちてきます。体温が低くなり、寒さに弱くなります。これらは「もう歳だからねー」で見過ごされているものもあると思います。
また、必要なカロリーが減るので肥満の傾向が見られます。食事を減らしても体重が落ちない子もいます。
2,皮膚の病気
正常な皮膚や毛根の細胞は新陳代謝が活発で、細胞の入れ替わりが激しいところです。代謝が落ちることで脱毛や皮膚の病気が増えてきます。
毛根が痩せてくると毛を引っ張っただけで抜けてしまいます。尾や首、胸など動く所、こすれ合う所での脱毛が目立ちます。特に尻尾の脱毛は特徴的で、ねずみのしっぽの様になります。
3,神経の異常
歩く時に足をしっかりと前に運べず、引きずって歩くようになります。急に目が回って立てなくなることや発作を起こすこともあります。
4,その他の症状
心臓の拍動が遅くなる
子宮の病気になる・妊娠しなくなる・乳腺がはってくる
貧血 などをおこす場合もあります。
診断
血液検査を行ないます。甲状腺ホルモンの量を測ることで甲状腺の状態が判ります。
治療
この病気は甲状腺のホルモンの分泌量が減っているので、ホルモンを補充して上げる必要があります。
お薬は生涯与える必要があります。
ホルモンの量が多くなりすぎると甲状腺機能亢進症になってしまうので定期的に甲状腺ホルモンを測定します。
その他
治療に反応してくれれば1週間目くらいで元気が戻り、体温の上昇が見られるなどといった代謝の改善があらわれます。皮膚の改善には数ヶ月かかります。
この病気は全身に影響を及ぼすので、いろいろな症状が出てもこの病気に特徴的!というものは有りません。多くの病気を慎重に除外していく必要があります。
◯動物スタッフの「はな」も甲状腺機能低下症です。治療前は毛が薄く、心拍数もかなり遅い状態でしたが、甲状腺ホルモンを毎日飲むことで元気に過ごしています。
「今はフッサフサだよーん」
「どう?可愛いでしょ。お薬飲んで毎日ハッピーです」
甲状腺機能低下症
についてお話しします。
甲状腺とは動物の喉の近くにある器官で
甲状腺ホルモンの量を調節しながら放出しています。
甲状腺ホルモンは体中の細胞に働きかけて
代謝(エネルギーを作る化学反応)を調節します。
ヒトの女性に多い甲状腺ホルモンが過剰に放出される病気(バセドウ病等)では血圧や心拍数が上がったり
汗をかきやすくなる・手の震え等の症状が現れます。
逆に甲状腺のホルモン放出が少なくなると、体中の細胞がうまく働かなくなり様々な症状が現れます。
病因
甲状腺が何らかの原因で適正なホルモンの量を放出できなくなることが原因でおこります。
生まれつき甲状腺がうまく働かない場合もありますが非常に稀です。
この病気のほとんどは高齢のイヌで見られます。ゴールデン・レトリバーやドーベルマンなど、特定の犬種では2歳くらいから出てくることがあります。
甲状腺が働かなくなってくる原因はよく判っていませんが、自己免疫疾患(自分を病気から守る仕組みが、間違って自分の細胞を攻撃すること)による甲状腺炎・甲状腺萎縮がおこると言われています。純血種で若いうちから見られるので、遺伝ものも考えられます。
症状
甲状腺ホルモンは全身の細胞に働きかけるので、実に多くの症状があらわれます。全てが見られるわけではないので病気の判定には注意が必要です。
1,基礎代謝の低下
全身の代謝が落ちるので、活力・気力が落ちてきます。体温が低くなり、寒さに弱くなります。これらは「もう歳だからねー」で見過ごされているものもあると思います。
また、必要なカロリーが減るので肥満の傾向が見られます。食事を減らしても体重が落ちない子もいます。
2,皮膚の病気
正常な皮膚や毛根の細胞は新陳代謝が活発で、細胞の入れ替わりが激しいところです。代謝が落ちることで脱毛や皮膚の病気が増えてきます。
毛根が痩せてくると毛を引っ張っただけで抜けてしまいます。尾や首、胸など動く所、こすれ合う所での脱毛が目立ちます。特に尻尾の脱毛は特徴的で、ねずみのしっぽの様になります。
3,神経の異常
歩く時に足をしっかりと前に運べず、引きずって歩くようになります。急に目が回って立てなくなることや発作を起こすこともあります。
4,その他の症状
心臓の拍動が遅くなる
子宮の病気になる・妊娠しなくなる・乳腺がはってくる
貧血 などをおこす場合もあります。
診断
血液検査を行ないます。甲状腺ホルモンの量を測ることで甲状腺の状態が判ります。
治療
この病気は甲状腺のホルモンの分泌量が減っているので、ホルモンを補充して上げる必要があります。
お薬は生涯与える必要があります。
ホルモンの量が多くなりすぎると甲状腺機能亢進症になってしまうので定期的に甲状腺ホルモンを測定します。
その他
治療に反応してくれれば1週間目くらいで元気が戻り、体温の上昇が見られるなどといった代謝の改善があらわれます。皮膚の改善には数ヶ月かかります。
この病気は全身に影響を及ぼすので、いろいろな症状が出てもこの病気に特徴的!というものは有りません。多くの病気を慎重に除外していく必要があります。
◯動物スタッフの「はな」も甲状腺機能低下症です。治療前は毛が薄く、心拍数もかなり遅い状態でしたが、甲状腺ホルモンを毎日飲むことで元気に過ごしています。
「今はフッサフサだよーん」
「どう?可愛いでしょ。お薬飲んで毎日ハッピーです」
2011年11月01日
ネコの鼻炎・気管支炎
11月になり、沖縄でも夜は肌寒くなってきました。
これから冬にかけて増えてくる病気の一つに、鼻炎や気管支炎といった呼吸器疾患があります。
今日はネコの呼吸器疾患の一つである
「ネコウイルス性鼻気管炎」についてお話しします。
病因
猫ヘルペスウイルス1というウイルスがネコの鼻・気管粘膜に感染しておこります。
ヒトの水疱瘡や帯状疱疹の原因もヘルペスウイルスですが、ネコのヘルペスウイルスがヒトに伝染ることはありません。
ウイルスは発症したネコの涙や鼻水、唾液に多く出てきます。感染・発症したネコを他の猫がグルーミングしたり、くしゃみで飛んだ鼻水や唾液を踏んだリすると伝染ります。
また、ヒトの手を介した感染が原因とも言われていますので、くしゃみや鼻水が出ているネコを触った後はよく手を洗って下さい。このウイルスは通常の手洗い石鹸で病原性が失われます。
症状
ウイルスに感染すると1日~4日で発症します。
急性のくしゃみや鼻水、両目の目ヤニが特徴的な症状です。熱がでて元気・食欲もなくなります。
免疫力の弱い仔猫や老猫では症状が悪化しやすく、肺炎を起こして命に関わることもあります。
診断
ウイルスを分離して診断することも可能ですが、通常は特徴的な症状で判断が可能です。
治療
免疫力を増強するインターフェロン、鼻炎や肺炎を予防するための抗菌剤を使用します。
食欲不振が続いている場合は流動食を与えて体力を維持します。
ウイルスを直接抑えこむ薬(細菌に対する抗菌剤のような薬)は有りません。体自身が治していくのを手伝うのが治療になります。
その他
この病気はワクチンで予防が可能です。生後2ヶ月目、3ヶ月目に摂取すると仔猫の発症がかなり抑えられます。
適切な治療を施せば、通常は2週間以内に回復に向かいます。
症状が長引くと慢性化し、鼻水や目ヤニがずっと出る症状(慢性の鼻炎・結膜炎)になる猫もいます。治療に反応が無い場合は他の病気(白血病ウイルス感染症など)を併発している時もあるので注意が必要です。
症状がなくなった後もウイルスは神経に生涯感染している場合があります(ヒトの帯状疱疹がそうですね)。治った子が妊娠したり、多頭飼育で常にストレスを受けるような状況では、再びウイルスが粘膜に出てきます。そうすると他の猫に伝染する可能性がありますので、できるだけストレスの無い生活が必要です。
ちょっぷ「ストレスをかけないように、ミーちゃんが起きるまで待ってます・・・」
ミーちゃん「おはよー。さぁ遊ぼう!」
これから冬にかけて増えてくる病気の一つに、鼻炎や気管支炎といった呼吸器疾患があります。
今日はネコの呼吸器疾患の一つである
「ネコウイルス性鼻気管炎」についてお話しします。
病因
猫ヘルペスウイルス1というウイルスがネコの鼻・気管粘膜に感染しておこります。
ヒトの水疱瘡や帯状疱疹の原因もヘルペスウイルスですが、ネコのヘルペスウイルスがヒトに伝染ることはありません。
ウイルスは発症したネコの涙や鼻水、唾液に多く出てきます。感染・発症したネコを他の猫がグルーミングしたり、くしゃみで飛んだ鼻水や唾液を踏んだリすると伝染ります。
また、ヒトの手を介した感染が原因とも言われていますので、くしゃみや鼻水が出ているネコを触った後はよく手を洗って下さい。このウイルスは通常の手洗い石鹸で病原性が失われます。
症状
ウイルスに感染すると1日~4日で発症します。
急性のくしゃみや鼻水、両目の目ヤニが特徴的な症状です。熱がでて元気・食欲もなくなります。
免疫力の弱い仔猫や老猫では症状が悪化しやすく、肺炎を起こして命に関わることもあります。
診断
ウイルスを分離して診断することも可能ですが、通常は特徴的な症状で判断が可能です。
治療
免疫力を増強するインターフェロン、鼻炎や肺炎を予防するための抗菌剤を使用します。
食欲不振が続いている場合は流動食を与えて体力を維持します。
ウイルスを直接抑えこむ薬(細菌に対する抗菌剤のような薬)は有りません。体自身が治していくのを手伝うのが治療になります。
その他
この病気はワクチンで予防が可能です。生後2ヶ月目、3ヶ月目に摂取すると仔猫の発症がかなり抑えられます。
適切な治療を施せば、通常は2週間以内に回復に向かいます。
症状が長引くと慢性化し、鼻水や目ヤニがずっと出る症状(慢性の鼻炎・結膜炎)になる猫もいます。治療に反応が無い場合は他の病気(白血病ウイルス感染症など)を併発している時もあるので注意が必要です。
症状がなくなった後もウイルスは神経に生涯感染している場合があります(ヒトの帯状疱疹がそうですね)。治った子が妊娠したり、多頭飼育で常にストレスを受けるような状況では、再びウイルスが粘膜に出てきます。そうすると他の猫に伝染する可能性がありますので、できるだけストレスの無い生活が必要です。
ちょっぷ「ストレスをかけないように、ミーちゃんが起きるまで待ってます・・・」
ミーちゃん「おはよー。さぁ遊ぼう!」
2011年10月22日
皮膚のカビ
皮膚にカビ(糸状菌)が感染して痒みや脱毛をおこす病気を皮膚糸状菌症といいます。
皮膚糸状菌症はイヌ・ネコだけでなく
多くの動物やヒトにも感染します。
非常にうつりやすいので注意が必要です。
病因
皮膚糸状菌が皮膚や爪に感染して発症します。
糸状菌は胞子を作って増えていきます。
胞子のついた毛が他の動物に接触すると伝染ります。
また、かゆいところを柱や床にこすりつけると胞子がそこにくっついてしまい、他の動物への感染源となります。
ヒトに移ると痒みが強く患部を掻いてしまいます。
すると指に胞子をつけてしまい、知らず知らずのうちにあちこちへ拡げてしまいます。
症状
円形~楕円形の脱毛がおこります。
円の縁は赤みを帯びることが多いです。
患部は乾燥するとフケのようなものが出てきます。
病変は頭、顔、足先、尻尾に多く見られます。
診断
問診では皮膚糸状菌症は必ず動物から伝染するので、他の動物と接触する可能性がなかったかを飼い主さんに聞きます。
次に皮膚の検査を行ないます。
皮膚の検査は紫外線をあてて胞子を見る検査、毛や皮膚の細胞を顕微鏡で見る検査、皮膚糸状菌を培養して確認する検査などがあります。
治療
小さな病変であれば、抗真菌剤の軟膏や抗菌シャンプーで治療します。
全身性の糸状菌症や爪の糸状菌症の場合は抗真菌剤を飲ませます。
治療のポイント
とにかく感染力が強い病気なので、多頭飼いの場合はシャンプーや飲み薬を全頭に行なって糸状菌が蔓延するのを防ぐことが大切です。
ヒトの指は重要な伝染経路となりますので、糸状菌症の動物を触った後は必ず念入りな手洗いを行ないます。
また、この病気は保護犬・保護猫に多いので、動物を保護した時は家にいる動物たちと一緒にする前に動物病院で病気を持っていないか健康診断を受けることをお勧めします。
はな「カビは痒いらしいよ~」
ミルク「それより、ちょっと重いです」
皮膚糸状菌症はイヌ・ネコだけでなく
多くの動物やヒトにも感染します。
非常にうつりやすいので注意が必要です。
病因
皮膚糸状菌が皮膚や爪に感染して発症します。
糸状菌は胞子を作って増えていきます。
胞子のついた毛が他の動物に接触すると伝染ります。
また、かゆいところを柱や床にこすりつけると胞子がそこにくっついてしまい、他の動物への感染源となります。
ヒトに移ると痒みが強く患部を掻いてしまいます。
すると指に胞子をつけてしまい、知らず知らずのうちにあちこちへ拡げてしまいます。
症状
円形~楕円形の脱毛がおこります。
円の縁は赤みを帯びることが多いです。
患部は乾燥するとフケのようなものが出てきます。
病変は頭、顔、足先、尻尾に多く見られます。
診断
問診では皮膚糸状菌症は必ず動物から伝染するので、他の動物と接触する可能性がなかったかを飼い主さんに聞きます。
次に皮膚の検査を行ないます。
皮膚の検査は紫外線をあてて胞子を見る検査、毛や皮膚の細胞を顕微鏡で見る検査、皮膚糸状菌を培養して確認する検査などがあります。
治療
小さな病変であれば、抗真菌剤の軟膏や抗菌シャンプーで治療します。
全身性の糸状菌症や爪の糸状菌症の場合は抗真菌剤を飲ませます。
治療のポイント
とにかく感染力が強い病気なので、多頭飼いの場合はシャンプーや飲み薬を全頭に行なって糸状菌が蔓延するのを防ぐことが大切です。
ヒトの指は重要な伝染経路となりますので、糸状菌症の動物を触った後は必ず念入りな手洗いを行ないます。
また、この病気は保護犬・保護猫に多いので、動物を保護した時は家にいる動物たちと一緒にする前に動物病院で病気を持っていないか健康診断を受けることをお勧めします。
はな「カビは痒いらしいよ~」
ミルク「それより、ちょっと重いです」
タグ :痒い
2011年10月15日
成長記録
病院の人気者、「ナッツ」がまた遊びに来てくれました。
7月初めのナッツ。手のひらサイズです。
7月末。病院にだいぶ慣れてくれました。
8月は毛がモコモコになりました。
今のナッツです。カットしてもらってさっぱりです。
「僕ってかわいいでしょ?」
成長する「ナッツ」を見るのがスタッフ全員の楽しみです。
7月初めのナッツ。手のひらサイズです。
7月末。病院にだいぶ慣れてくれました。
8月は毛がモコモコになりました。
今のナッツです。カットしてもらってさっぱりです。
「僕ってかわいいでしょ?」
成長する「ナッツ」を見るのがスタッフ全員の楽しみです。
タグ :犬動物病院へ散歩に行こう!
2011年10月09日
イヌの尿路感染症
腎臓から膀胱、尿道までのどこかに細菌が感染することを尿路感染症といいます。
尿路感染症はネコよりもイヌの方が圧倒的に多いです。
病因
細菌が感染し炎症をおこします。
菌は通常尿道から侵入する為、尿道が短いメスのほうが感染しやすいです。
尿路感染の時によく見られる細菌は大腸菌やブドウ球菌など、体の表面にいる細菌です。
普段は体のバリア機能(粘膜や免疫力)が細菌の侵入を防いでいますが、ストレスや様々な病気、免疫力を下げる薬等でバリア機能が下がると細菌の感染がおこります。
また、膀胱は排尿が始まると全ての尿を出し切るようになっています。細菌は尿で増えることができるので、体は尿を残さないようにしているのです。
尿は尿道に入り込んだ菌を押し流す働きもあります。
ワンちゃんがトイレを我慢しないといけない状態だったり、下半身の神経に障害があって尿がちゃんと出しきれない時に膀胱炎になりやすいのはこの為です。
症状
尿道や膀胱に感染がおこると、トイレが近くなります(頻尿)。尿が出にくそうに見えることもあります。
また、尿が濁ったり血が混ざったりします。
尿の臭いも変わってきます。
腎臓に細菌が感染すると熱がでることがあります。
検査
まず、尿の検査を行ないます。
尿の色・臭いはどうか?
尿の濃さは正常か?
細菌や血液が混ざっていないか?
本来尿にはない成分が出ていないか?
糖尿病はないか?
尿の酸性/アルカリ性は?等を調べます。
次に超音波検査を行ないます。
超音波検査では膀胱や腎臓の状態がわかります。
小さい結石や膀胱の腫瘍などが無いかも確認できます。膀胱炎の時は膀胱の粘膜が厚くなっていることがほとんどです。
更に必要があれば血液検査やレントゲン検査などを行ないます。
治療
細菌を抑える効果のある抗菌薬を使用します。
その他
尿路感染症を長い間放置したり、繰り返したりすると膀胱結石ができやすくなります。
膀胱炎は体質も関係するので、再発を繰り返す時は尿を酸性にする療法食やサプリメントで予防します。
「おしっこはお母さんが外に連れていってくれます!」
尿路感染症はネコよりもイヌの方が圧倒的に多いです。
病因
細菌が感染し炎症をおこします。
菌は通常尿道から侵入する為、尿道が短いメスのほうが感染しやすいです。
尿路感染の時によく見られる細菌は大腸菌やブドウ球菌など、体の表面にいる細菌です。
普段は体のバリア機能(粘膜や免疫力)が細菌の侵入を防いでいますが、ストレスや様々な病気、免疫力を下げる薬等でバリア機能が下がると細菌の感染がおこります。
また、膀胱は排尿が始まると全ての尿を出し切るようになっています。細菌は尿で増えることができるので、体は尿を残さないようにしているのです。
尿は尿道に入り込んだ菌を押し流す働きもあります。
ワンちゃんがトイレを我慢しないといけない状態だったり、下半身の神経に障害があって尿がちゃんと出しきれない時に膀胱炎になりやすいのはこの為です。
症状
尿道や膀胱に感染がおこると、トイレが近くなります(頻尿)。尿が出にくそうに見えることもあります。
また、尿が濁ったり血が混ざったりします。
尿の臭いも変わってきます。
腎臓に細菌が感染すると熱がでることがあります。
検査
まず、尿の検査を行ないます。
尿の色・臭いはどうか?
尿の濃さは正常か?
細菌や血液が混ざっていないか?
本来尿にはない成分が出ていないか?
糖尿病はないか?
尿の酸性/アルカリ性は?等を調べます。
次に超音波検査を行ないます。
超音波検査では膀胱や腎臓の状態がわかります。
小さい結石や膀胱の腫瘍などが無いかも確認できます。膀胱炎の時は膀胱の粘膜が厚くなっていることがほとんどです。
更に必要があれば血液検査やレントゲン検査などを行ないます。
治療
細菌を抑える効果のある抗菌薬を使用します。
その他
尿路感染症を長い間放置したり、繰り返したりすると膀胱結石ができやすくなります。
膀胱炎は体質も関係するので、再発を繰り返す時は尿を酸性にする療法食やサプリメントで予防します。
「おしっこはお母さんが外に連れていってくれます!」
2011年10月03日
ネコの慢性腎不全2
前回は原因と症状についてお話ししました。
主な症状:脱水、食欲不振、吐き気、高血圧、貧血
治療
慢性腎不全は残念ながら完治できません。
治療の目標は
・今おきている症状を和らげる
・病気の進行を少しでも遅らせる ことです。
◯補液(水分の補給)
ネコの慢性腎不全では体の水分がどんどん失われるので、脱水症状のコントロールが非常に重要です。
水分の補給で一番手軽なのは餌をドライフードから缶詰などのウエットフードに替えることです。
初期の腎不全ではこれだけでも効果が出ます。
症状が進行し、口からの水分補給だけで追いつかなくなると点滴が必要になります。
その子の症状にあった間隔で通院してもらいながら皮下点滴をします。時には飼い主さんに自宅で皮下点滴を行なってもらうケースもあります。
緊急を要する脱水症状は血管からの点滴を行ないます。この場合は入院が必要です。
脱水症状が改善してくると尿毒症の症状も和らぎ、食欲が戻ってきます。
◯吐き気のコントロール
腎不全による尿毒症では胃酸が過剰に出てしまい、その結果吐き気や胃潰瘍がおこります。
胃酸を抑える薬で症状を和らげることができます。
◯高血圧のコントロール
血圧が高い状態が続くと腎臓の血管が破壊されて、更に腎不全が悪化します。また目の奥にある網膜の血管が破れると目が見えにくくなります。
高血圧のコントロールには血管拡張薬等を使用します。
◯貧血のコントロール
貧血の予防に鉄剤やサプリメントを使用します。
重度の貧血の場合は増血剤を使用します。
◯その他
腎不全用の食事療法や尿毒症を引き起こす毒性の物質を吸着する吸着剤等があります。
これらの治療法をその子の症状や飼育環境、
飼い主さんの希望等を考慮して組み合わせていきます。
ネコちゃんも飼い主さんも無理をしない「良い加減」で長く治療してあげるのがポイントだと思います。
「お母さん、おしっこのチェックお願いしまーす」
主な症状:脱水、食欲不振、吐き気、高血圧、貧血
治療
慢性腎不全は残念ながら完治できません。
治療の目標は
・今おきている症状を和らげる
・病気の進行を少しでも遅らせる ことです。
◯補液(水分の補給)
ネコの慢性腎不全では体の水分がどんどん失われるので、脱水症状のコントロールが非常に重要です。
水分の補給で一番手軽なのは餌をドライフードから缶詰などのウエットフードに替えることです。
初期の腎不全ではこれだけでも効果が出ます。
症状が進行し、口からの水分補給だけで追いつかなくなると点滴が必要になります。
その子の症状にあった間隔で通院してもらいながら皮下点滴をします。時には飼い主さんに自宅で皮下点滴を行なってもらうケースもあります。
緊急を要する脱水症状は血管からの点滴を行ないます。この場合は入院が必要です。
脱水症状が改善してくると尿毒症の症状も和らぎ、食欲が戻ってきます。
◯吐き気のコントロール
腎不全による尿毒症では胃酸が過剰に出てしまい、その結果吐き気や胃潰瘍がおこります。
胃酸を抑える薬で症状を和らげることができます。
◯高血圧のコントロール
血圧が高い状態が続くと腎臓の血管が破壊されて、更に腎不全が悪化します。また目の奥にある網膜の血管が破れると目が見えにくくなります。
高血圧のコントロールには血管拡張薬等を使用します。
◯貧血のコントロール
貧血の予防に鉄剤やサプリメントを使用します。
重度の貧血の場合は増血剤を使用します。
◯その他
腎不全用の食事療法や尿毒症を引き起こす毒性の物質を吸着する吸着剤等があります。
これらの治療法をその子の症状や飼育環境、
飼い主さんの希望等を考慮して組み合わせていきます。
ネコちゃんも飼い主さんも無理をしない「良い加減」で長く治療してあげるのがポイントだと思います。
「お母さん、おしっこのチェックお願いしまーす」
2011年09月23日
飼い主さんを探しています
9月6日に那覇市の泊交差点付近で
保護されたワンちゃんの飼い主さんを探しています。
高齢のオス、テリア系雑種です。
保護した時には既に右前足が断脚されていました。
その傷跡から、かなり昔に手術を受けたと思われます。
保護した直後の写真です。
保護当時は毛が伸びていて、毛玉や草の実で汚れ、ダニもいました。
保護された方は散歩のために毎日病院に通いながら
一所懸命飼い主さんを探されていらっしゃいます。
些細な情報でも良いので
何か情報をお持ちの方は病院に御連絡ください。
保護されたワンちゃんの飼い主さんを探しています。
高齢のオス、テリア系雑種です。
保護した時には既に右前足が断脚されていました。
その傷跡から、かなり昔に手術を受けたと思われます。
保護した直後の写真です。
保護当時は毛が伸びていて、毛玉や草の実で汚れ、ダニもいました。
保護された方は散歩のために毎日病院に通いながら
一所懸命飼い主さんを探されていらっしゃいます。
些細な情報でも良いので
何か情報をお持ちの方は病院に御連絡ください。
Posted by こにし動物病院・夫婦 at
22:27
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2011年09月22日
ネコの慢性腎不全1
前回、腎臓は
・老廃物をこし取る
・必要なものを再吸収する
・血圧や血液の量を調整する
という大切な働きをしている話をしました。
今回は高齢のネコに多い慢性腎不全です。
腎不全とは腎臓の働きが悪くなった事で、通常は両方の腎臓の4分の3が働かなくなった時に起こります。
慢性腎不全は、数ヶ月~数年にわたってゆっくりと腎臓の働きが悪くなって、腎不全を発症したものです。
病因
腎臓の炎症や薬物等、いろいろな原因で起こると言われていますが、原因をはっきりさせることは通常難しいです。高齢(6歳以上)で多くみられるので、老化も影響していると思います。
働きが悪くなった腎臓が再び良くなることは、ほとんどありません。
ところで、ネコの腎臓は私たちヒトやイヌの腎臓と比べると、水分の再吸収能力が非常に高くなっているという特徴があります。
ネコの祖先は飲み水が少ない砂漠に住んでいたと言われています。そのため水分を失うことは命に関わる重大な事だったのでしょう。
本来、ネコは獲物の動物を捕まえ、獲物から栄養分と同時に水分も補給してきました。そしてその水分をできるだけ失わないように、腎臓の再吸収能力を高めたと考えられています。同じ理由で缶詰のご飯やウェットフードを食べるネコは水を全く飲まない事もあります。
言い換えると、ネコの腎臓は他の動物に比べて、水分を吸収するところを酷使していると言えます。
ネコの腎不全は再吸収が上手く出来なくなることから始まり、それに続く様々な症状が出てきます。
ネコのおしっこは濃くて臭いですよね?おしっこの色・匂いが薄くなって量が増えると要注意です。
症状
ネコの腎不全とヒトの腎不全は最初に壊れる場所が違います。そのため、ヒトの腎不全で見られるむくみや尿が出にくくなる症状は初期ではあまりみられません。
脱水症状と栄養不良
再吸収を行う尿細管が壊れてくると尿の濃縮ができなくなり、体に必要な水分や栄養分がどんどん尿として失われていきます。そのために脱水症状と栄養不足が起こります。
脱水症状になると よく水を飲む、便秘になる
栄養不良では 体重が落ちる、筋肉が衰える、といった症状がみられます。
便秘と思って来院されて、腎不全の診断をすると驚かれる飼い主さんは多いです。
高血圧と貧血
腎不全が進行すると、血圧や血液を調節するところも壊れてきます。
腎不全で高血圧がおこります。腎臓が働かなくなると命に関わるので、体は壊れた腎臓にもっと働くよう血液を集めます。そのために他の血管を細くします。すると全身の血圧が上がります。
ヒトでもそうですが、高血圧が続くと血管が破裂することがあります。ネコでは目の網膜にある血管が破れて視力が衰えてしまいます。
明るいところでも瞳孔が開いたままになっていると要注意です。
また、腎臓は骨髄に赤血球を作らせますが、腎不全ではこの働きが悪くなり貧血が起こります。
尿毒症
更に悪くなると、血液の老廃物を濾しとるところまでも機能しなくなります。すると、本来尿で出ていくはずの毒性物質が体にたまってくるので吐き気やケイレン症状といった尿毒症が現れます。
長くなりましたので、治療については次回お話しします。
・老廃物をこし取る
・必要なものを再吸収する
・血圧や血液の量を調整する
という大切な働きをしている話をしました。
今回は高齢のネコに多い慢性腎不全です。
腎不全とは腎臓の働きが悪くなった事で、通常は両方の腎臓の4分の3が働かなくなった時に起こります。
慢性腎不全は、数ヶ月~数年にわたってゆっくりと腎臓の働きが悪くなって、腎不全を発症したものです。
病因
腎臓の炎症や薬物等、いろいろな原因で起こると言われていますが、原因をはっきりさせることは通常難しいです。高齢(6歳以上)で多くみられるので、老化も影響していると思います。
働きが悪くなった腎臓が再び良くなることは、ほとんどありません。
ところで、ネコの腎臓は私たちヒトやイヌの腎臓と比べると、水分の再吸収能力が非常に高くなっているという特徴があります。
ネコの祖先は飲み水が少ない砂漠に住んでいたと言われています。そのため水分を失うことは命に関わる重大な事だったのでしょう。
本来、ネコは獲物の動物を捕まえ、獲物から栄養分と同時に水分も補給してきました。そしてその水分をできるだけ失わないように、腎臓の再吸収能力を高めたと考えられています。同じ理由で缶詰のご飯やウェットフードを食べるネコは水を全く飲まない事もあります。
言い換えると、ネコの腎臓は他の動物に比べて、水分を吸収するところを酷使していると言えます。
ネコの腎不全は再吸収が上手く出来なくなることから始まり、それに続く様々な症状が出てきます。
ネコのおしっこは濃くて臭いですよね?おしっこの色・匂いが薄くなって量が増えると要注意です。
症状
ネコの腎不全とヒトの腎不全は最初に壊れる場所が違います。そのため、ヒトの腎不全で見られるむくみや尿が出にくくなる症状は初期ではあまりみられません。
脱水症状と栄養不良
再吸収を行う尿細管が壊れてくると尿の濃縮ができなくなり、体に必要な水分や栄養分がどんどん尿として失われていきます。そのために脱水症状と栄養不足が起こります。
脱水症状になると よく水を飲む、便秘になる
栄養不良では 体重が落ちる、筋肉が衰える、といった症状がみられます。
便秘と思って来院されて、腎不全の診断をすると驚かれる飼い主さんは多いです。
高血圧と貧血
腎不全が進行すると、血圧や血液を調節するところも壊れてきます。
腎不全で高血圧がおこります。腎臓が働かなくなると命に関わるので、体は壊れた腎臓にもっと働くよう血液を集めます。そのために他の血管を細くします。すると全身の血圧が上がります。
ヒトでもそうですが、高血圧が続くと血管が破裂することがあります。ネコでは目の網膜にある血管が破れて視力が衰えてしまいます。
明るいところでも瞳孔が開いたままになっていると要注意です。
また、腎臓は骨髄に赤血球を作らせますが、腎不全ではこの働きが悪くなり貧血が起こります。
尿毒症
更に悪くなると、血液の老廃物を濾しとるところまでも機能しなくなります。すると、本来尿で出ていくはずの毒性物質が体にたまってくるので吐き気やケイレン症状といった尿毒症が現れます。
長くなりましたので、治療については次回お話しします。
2011年09月12日
腎臓の働き
今回は腎臓の働きについてお話しします。
腎臓は腰のあたりに左右1個づつある臓器です。
ソラマメの様な形をしています。
腎臓の働きは主に次のとおりです。
1.体の不要なものを外へ出す(排泄)
食べた物が体で使われると、車の排気ガスの様に体にとって不要・有害な物が作られます。
血液に溶けた有害な液体成分を分けて、尿として外へ捨てます。
2.水分量の調整
体の中の水分を調整します。水分が多いと尿の量を増やし、体の水分が不足してくると尿の水分を吸収して体に戻します。
1と2は腎臓の中にある糸球体と尿細管という所で行われます。
糸球体は「ざる」をイメージしてください。血液はまずこの「ざる」を通ります。すると赤血球や白血球など、血液に溶けていない細胞などは糸球体で濾し取られず血管に残りますが、血液に溶けているものは全て糸球体で濾し取られます。これを「原尿」といいます。原尿はヒトで1日200リットル!作られます。1日でドラム缶1本のおしっこを作っているのはイメージできますか?
糸球体で作られた原尿は尿細管へ移動します。原尿には体に必要な水分・栄養分がたくさん含まれます。尿細管は必要なものを原尿から血管へ戻す働き(再吸収)を行ないます。
200リットルの原尿は再吸収されて最終的に1.5リットルまで濃縮され、尿となります。
糸球体と尿細管のペアはヒトで約200万組もあります。
体の不要なものを外へ出すために、腎臓には血液がどんどん流れてきます。その為、腎臓には上の2つの働き以外に、血圧や血液の量を調節する働きもあります。
3.血圧を調節する
腎臓は血管を収縮させる物質を作ります。
何らかの理由で腎臓に来る血液が減少すると、腎臓は全身の血管を細くして自分の所に優先的に血液が来るようにします。
水を撒くホースの先を指でつぶすと水圧が上がるように、血管を細くすると血圧が上がります。
この働きは腎臓にとって必要ですが、血圧が上がり過ぎると血管が破けて様々な障害が出ます。
4.赤血球を調節する
血液の成分である赤血球は骨の中(骨髄)で作られますが、骨髄に指示を送るのは腎臓です。
腎臓は血液の量が減ると、血圧を上げると同時に血液を作らせて量を増やそうとします。
腎臓が血液を調節するということは、それだけ血液の浄化が大切ということです。
脳や心臓など、多くの大事な臓器がひとつしかないのに対し、腎臓は体に2つあり、更に200万個の糸球体を持たなくてはならないのは、腎臓の働きが生命に直結して、予備をたくさん持っていないと緊急事態に対応できないからです。
24時間一生懸命働いている臓器なので、大切にしましょう。
次回は腎臓の病気についてお話しします。
「腎臓って働き者なんだねぇ~」
腎臓は腰のあたりに左右1個づつある臓器です。
ソラマメの様な形をしています。
腎臓の働きは主に次のとおりです。
1.体の不要なものを外へ出す(排泄)
食べた物が体で使われると、車の排気ガスの様に体にとって不要・有害な物が作られます。
血液に溶けた有害な液体成分を分けて、尿として外へ捨てます。
2.水分量の調整
体の中の水分を調整します。水分が多いと尿の量を増やし、体の水分が不足してくると尿の水分を吸収して体に戻します。
1と2は腎臓の中にある糸球体と尿細管という所で行われます。
糸球体は「ざる」をイメージしてください。血液はまずこの「ざる」を通ります。すると赤血球や白血球など、血液に溶けていない細胞などは糸球体で濾し取られず血管に残りますが、血液に溶けているものは全て糸球体で濾し取られます。これを「原尿」といいます。原尿はヒトで1日200リットル!作られます。1日でドラム缶1本のおしっこを作っているのはイメージできますか?
糸球体で作られた原尿は尿細管へ移動します。原尿には体に必要な水分・栄養分がたくさん含まれます。尿細管は必要なものを原尿から血管へ戻す働き(再吸収)を行ないます。
200リットルの原尿は再吸収されて最終的に1.5リットルまで濃縮され、尿となります。
糸球体と尿細管のペアはヒトで約200万組もあります。
体の不要なものを外へ出すために、腎臓には血液がどんどん流れてきます。その為、腎臓には上の2つの働き以外に、血圧や血液の量を調節する働きもあります。
3.血圧を調節する
腎臓は血管を収縮させる物質を作ります。
何らかの理由で腎臓に来る血液が減少すると、腎臓は全身の血管を細くして自分の所に優先的に血液が来るようにします。
水を撒くホースの先を指でつぶすと水圧が上がるように、血管を細くすると血圧が上がります。
この働きは腎臓にとって必要ですが、血圧が上がり過ぎると血管が破けて様々な障害が出ます。
4.赤血球を調節する
血液の成分である赤血球は骨の中(骨髄)で作られますが、骨髄に指示を送るのは腎臓です。
腎臓は血液の量が減ると、血圧を上げると同時に血液を作らせて量を増やそうとします。
腎臓が血液を調節するということは、それだけ血液の浄化が大切ということです。
脳や心臓など、多くの大事な臓器がひとつしかないのに対し、腎臓は体に2つあり、更に200万個の糸球体を持たなくてはならないのは、腎臓の働きが生命に直結して、予備をたくさん持っていないと緊急事態に対応できないからです。
24時間一生懸命働いている臓器なので、大切にしましょう。
次回は腎臓の病気についてお話しします。
「腎臓って働き者なんだねぇ~」
2011年09月08日
夜間診療
沖縄県獣医師会では毎日
夜間も県内で動物病院を受診できるようにしています。
今月、当院が夜間診療当番となっている
9月11日(日)は
午前9時から深夜12時まで診療いたします。
夜も獣医師とスタッフが待機する予定です。
午後7時までは通常の診療。
午後7時以降は時間外診療となります。
当院にカルテのない方は来院前にお電話下さい。
急な症状でお困りの際はご利用いただけます。
2011年09月06日
ねこのきもち
病院の待合室に猫雑誌を置いています
猫のニャンとも言えない愛らしい写真や
行動の不思議について色々と解説が書いてあります。
また、飼い主さんたちの様々なアイディアも満載です。
診察の待ち時間に、子猫や犬の散歩をしながら当院に遊びにこられる際に御覧いただけます。
院内でも動物と楽しい時間をお過ごしくださいね。
皆様に好評なら犬雑誌も購読しますね